メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、2021年にセバスチャン・ベッテルの起用を除外していない。それはリップサービスではなく、“不測の事態”によって突然メルセデスF1のシートに空席ができる可能性もあるからだと語った。4回のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルは、今シーズン限りでフェラーリF1を離脱することを発表。2021年以降の活動は不確かなままとなっている。
一方、メルセデスはルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスとの契約が今シーズン限りで満了する。ハミルトンは7月から再開予定の選手権でミハエル・シューマッハの7回のF1ワールドチャンピオン最多記録に並ぶ可能性がある。セバスチャン・ベッテルがフェラーリF1からの離脱を発表した際、トト・ヴォルフは「決して無視できない状況」だと語っている。トト・ヴォルフは、まずは自分たちの契約ドライバーに目を向けるが、突然、予期せぬ事態が発生した場合、外部から4回のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルを起用する可能性があるとし、ドライバー候補としてベッテルを除外することはできないと述べた。「これはリップサービスではない。4度のF1ワールドチャンピオンに対して、すぐに“ノー”と言うべきではない。それについて検討する必要がある」とトト・ヴォルフはメディアとのZoom会議では語った。「もちろん、セバスチャンは素晴らしいパーソナリティであり、彼は4つのF1ワールドチャンピオンを獲得した、彼の世代の最も優れたドライバーのひとりだ」「我々は早めに動きがあったことにかなり驚かされた。いなくなることがわかっているドライバーとシーズンを開始する必要があるし、ドライバーの関与なしにマシンを開発するのは非常に難しいからだ」「全てのドライバーがチームプレーヤーである必要があり、私の意見ではドライバーの決定は優先順位では2番目だ。関係者にとってもね。我々としては時間をかけたいと思っている」「だが、セバスチャンはメルセデスのコックピットにとっては部外者だ。我々の優先事項は、メルセデスドライバーであるバルテリとルイスだ」先週、ウィリアムズF1は家族経営のチームを売却することを検討していることを発表した。トト・ヴォルフはメルセデスはその状況とジョージ・ラッセルの将来に関心を持って目を向けていると述べた。「それから、もちろんジョージ(ラッセル)とウィリアムズの状況には関心をもって目を向けている。ましてや、どのドライバーも無視することはできない」「来月に何が起こるかなど誰にもわからない。セバスチャンを無視したくないと私が言ったのはそのためだ」「もし、私が1月にあなたにシーズン前半はまったくレースが行われないだろうと言っていたらば、誰もそれを信じなかっただろう」「私は我々の二人ドライバー、そして、ジョージに満足している。だが、何が起こるかは決してわからない。彼らのうち1人がもうレースはしたくないと決定し、突然、空席ができるかもしれない」「だから、私は6月に出て『チャンスはない。セバスチャンは我々のためにレースをすることはない」と言いたくはなかった」「まず第一に、私は彼のことをドライバーとしてそう評価したくはない。そんなに鈍い人間ではない。そして、その一方で、私は誰も予想もしていなかったようなあり得ない事象が起こるのを目にしている」「ニコ・ロズベルグを思い出してほしい。その点で、我々は選択肢をオープンままにしているが、もちろん現在のドライバーとの議論に集中している」ルイス・ハミルトンの将来と2021年以降のメルセデスF1との協定の延長について、トト・ヴォルフはまだ契約交渉は行われていないと語った。「ロックダウンの間、お互いに会うことはなかった。我々は世界の異なる場所にいるが、定期的に連絡を取っていた。しかし、我々はいかなる合意にも取り組んでいない。我々の間には大きな信頼関係がある」とトト・ヴォルフは語る。「我々は長い間一緒にいたが、ここ数年は一緒に契約書を持ち出して、そこに書かれていることを実際に読む必要はなかった」「したがって、レースが再開したら、契約書を食器棚から取り出し、期間、金額、条件を確認することに一緒に時間を費やしてことになるだろう。うまくいけば、もうまもなく何かができるようになるだろう」