メルセデスの親会社であるダイムラーの取締役会は、2020年シーズン末でチームをF1から撤退させるかどうかを決定するために2週間後に重要な会議を開催すると報じられている。RaceFans と Autocar との共同調査によると、ダイムラーの会議は2月12日に開催されるという。メルセデスとF1との現在の契約は、今シーズンの終わりに失効する。
メルセデスのF1撤退は、現役ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンを含むドライバーの将来、およびブラックリーでのシャシー製造事業について、疑問を投げかけることになる。メルセデスのファクトリーF1プログラムは非常に成功しており、チームは2014年以降の過去6シーズンのドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方のタイトルを連覇しているが、いくつかの兆候はスリー・ポインテッド・スターの撤退の可能性を示している。メルセデスの親会社であるダイムラーは、コスト削減に対する圧力が高まっている。昨年、ダイムラーは、2022年までにコストを10億ドルのコスト削減と10,000人以上のスタッフのリストラ計画を発表している。35歳のルイス・ハルトンは、2024年までの4年契約と年俸6600万ドルの報酬をメルセデスに要求しているが、メルセデスが年俸5000万ドル(54億円)の2年契約であり、交渉は難航していると報じられている。メルセデスは10年前にF1でファクトリーチームを復活させて以来、F1プログラムに数十億ドルを費やしてきた。過去6シーズンを支配して賞金とマーケティング面で成果を上げてきたが、大幅な人員削減の現実と伴ってF1に参戦することは浪費と受け止められているという。2014年以降、F1を支配していたメルセデスの離脱は、スポーツに大きな影響を与えることになる。一方で、ブリックスワースに拠点を置くメルセデスブランドのエンジン部隊は、1994年からのF1への参加を継続すると予想されている。すでにメルセデスは、2021年にマクラーレンとウィリアムズにエンジンを供給する契約を結んでおり、ウィリアムズとは2025年まで契約を結んでいる。また、レーシングポイントと新たに現メルセデスチームの支配権を握る者にパワーユニットを供給し続ける可能性も示唆されている。情報筋によると、現在のメルセデスのF1チーム代表で株主もあるトト・ヴォルフは、アストンマーチンへの投資を検討していることが明らかになっているレーシングポイントF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールとブラックリーのチーム買収を計画していると報じられている。その場合、元メルセデスF1チームは2021年からアストンマーティンにブランド変更するとされている。ダイムラーの取締役は、昨年ヤス・マリーナで開催されたシーズン最終戦アブダビGPにメルセデス・ベンツのマーケティングと販売の責任者であるブリッタ・シーガーが参加しており、21戦でチームの15回目を挙げたルイス・ハミルトンとともに表彰台に上がっている。2021年のルイス・ハミルトンの所属チームは、メルセデスの状況に関する新しい詳細が明らかになる前にすでに推測の焦点だった。来年、フェラーリにはシャルル・ルクレールの隣に潜在的な空席が存在している。メルセデスがファクトリー参戦からの撤退を決定すれば、現在、F1で最も有名なドライバーであるルイス・ハミルトンと最も歴史的なチームであるフェラーリが手を組む可能性が増すことになる。