メルセデスAMG F1は、2019年 第6戦 モナコGPの決勝で、ルイス・ハミルトンが優勝、バルテリ・ボッタスが3位でレースを終えたトト・ヴォルフ(チーム代表)「この結果には多くの意味がある。我々の元から旅立ってしまったワールドチャンピオンのためのワールドチャンピオンによるドライブだった。これ以上にドラマチックなレースはあり得なかったし、終わってくれてほっとしている」
「ルイスの仕事は驚異的であり、マックスとの非常に激しいレースだった。後から考えれば、ルイスのタイヤ選択は間違いだったとわかる。ピットストップではハードを選ぶべきだった。だが、このようなことは起こるものであり、あの時はミディアムが正しいだと考えていた。違いを見せ、レースを管理したのはドライバーだ。バルテリはピットストップで後退し、ピットレーンでフェルスタッペンと接触してやや厳しい時間を過ごしたが、それでも素晴らしい仕事をしてくれた。今は反撃を誓っていることだろう。本当にハードに戦っての勝利だった。カナダに向けて出発するまでの今後数日間、我々にはウィーンでニキの葬儀に出席するという辛い時間が待っている」 アンドリュー・ショブリン(チーフレースエンジニア) 「今回のレースはニキのためにも勝ちたかったが、モナコで優勝というのは言うがやすしだ。レース序盤は若干ながら雨の可能性があったが、実際に本降りになることはなかったので、中団グループとのギャップを築けるように予定していたよりも若干ハードにプッシュできた。セーフティカーが望んでいたよりも早くに導入され、後から考えればハードタイヤを装着すべきが、リスタート時のウオームアップに懸念があったのでミディアムを採用した。たが、それがルイスにとって状況を難しくしたことは間違いなく、我々が下した判断と当時の情報を見直していく。今日のルイスは勝つためにかなり懸命にプッシュしなければならなかったが、最後まで本当にうまく走りきってくれたことをうれしく思う。バルテリのレースもセーフティカー導入時に妥協を強いられた。我々はレッドブルのリリースが問題なかったと思うが、マックスはバルテリをウオールに押し込まずにスペースを与える余裕があった。接触で右フロントのホイールリムが破損し、パンクを引き起こしたため、ピットに入れて新しいタイヤを装着しなければならなくなった。それ以降、彼のチャンスは限られてしまい、マシンは優れたペースを発揮していたにもかかわらず、単純にここでは追い抜きができず、バルテリはベッテルの後方で身動きがとれずフラストレーションの溜まるレースとなった。マックスにタイムペナルティが科されたことで、バルテリが表彰台に復帰できたことはいくらか慰めになる。ルイスはよくやった。今日の彼には必要以上に難しいレースを戦わせることになってしまったが、今、我々の思いはニキ、そして彼の家族とともにある。この数年を通して彼はこのチームにとって非常に大きな存在になっており、彼の知恵や率直な意見からどれほどの利点を得られたことか。彼の代わりなど存在しない。そういう人だ。彼ならきっと100%を尽くしてハードにレースすることを望むだろうし、これからも私たちはそうしていく」ルイス・ハミルトン(優勝)「今日は僕のキャリアで最も困難なレースのひとつだった。本当に激しかった。残り20周で最後まで走り切れないのではないかと思っていた。クラッシュしそうだったし、クルマとかなり格闘していた。タイヤがまったく残っていなかったし、コース上にクルマを留めているものかなり大変だった。『ニキだったらどうするだろう?』と考えていた。持っている全てを出し切って最善を尽くした。ミスをしないようにとにかく集中していた。今日、彼は見てくれていたと思うし、彼が傍にいてくれたから何とかなったと思う。今日、僕は彼のヘルメットをかぶっていたので、彼をがっかりさせたくなかった。彼は僕の心の中にいたし、今週末は彼のために結果を出してやると思っていた。絶対にプレッシャーに押しつぶされたくなかった。今日の勝利はニキに捧げる」バルテリ・ボッタス(3位)「僕のレースはピットで決まった。僕たちはセーフティカー中でダブルピットストップを敢行した。ルイスが先でそのあと僕だった。ベッテルとフェルスタッペンも入ってきて、僕がピットを離れたときにマックスも同時にリリースされて、サイド・バイ・サイドになった。僕たちは接触して、行き場がなくて僕はウォールにヒットして、右フロントがパンクしてしまった。それで翌周にもう一度ピットストップしなければならなかった。その時点で自分はフィールドの最後尾になってしまうと思ったけど、1つポジションを失っただけだったので、不運だったけど、同時にラッキーだったと思う。予選よりも低いポジションでレースをフィニッシュするのはいつだってがっかりするものだ。でも、僕のペースは週末を通して本当に良かったし、それでも自分とチームのために貴重なポイントを獲得することができいた。朝に最初に考えたことのひとつは、ニキのためにいい走りをしたいということだった。彼のために勝ちたかった。残念ながら、僕ではないけど、ルイスが勝ったし、ニキは今誇りに思っていると確信している」
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