メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、F1中国GPでダブルストップを敢行するというアイデアは自身のその場のひらめきであったことを明かした。レッドブル・ホンダがマックス・フェルスタッペンを早めにピットインさせたことは上位勢の2ストップ戦略を導いた。メルセデスも35周目に2度目のピットストップを行ったセバスチャン・ベッテルに反応して2周後にダブルピットストップを行っている。
その決断は成功し、メルセデスと開幕から3戦連続で1-2フィニッシュを果たした。メルセデスのトラックサイト担当エンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、最初にそのアイデアを出したのはトト・ヴォルフ自身だったと語った。「35周目にベッテルがピットに入ったことで、我々にちょっとしたジレンマが生まれた。我々はベッテルに対してそれなりのギャップを築いていたからだ」とアンドリュー・ショブリンはコメント。「だが、もしもルイスを最初に入れて、バルテリを2番目に入れていたら、ベッテルがバルテリをアンダーカットしてポジションを奪うリスクがあった」「また、彼にベッテルをカバーするために最初にバルテリをピットインさせ、ルイスを2番目に入れていたら、今後はベッテルがルイスをアンダーカットする可能性があった」「それによって我々は少し居心地の悪い立場に置かれた。実際、同時ストップを提案したのはトトだった。その後、ジェームス・ボウルズとマシン間に快適なギャップがあることをチェックしていたロン・メドウス(スポーティングディレクター)との間で議論になり、我々はピットクルーにピットレーンに二人のタイヤを出させて同時ストップの準備をさせた」「最終的な決定を下したのジェームスで、彼はそれを進めることにした。それが2台がピットストップ前の準備をキープし、フェラーリに対してポジションを失なわないことを可能にした」「今回はそれが完璧な解決策だったし、実際、クルーたちは本当に素晴らしくクリーンで見事な仕事をしてくれた」アンドリュー・ショブリンは、ダブルピットストップはシナリオをシミュレートすることはできないため、準備をするのが最も困難なエリアのひとつだと語る。「ダブルピットストップは練習するのが最も困難だ。練習のためのクルマが2台なければならないからだ。ブラックリーにはピットストップ用のマシンがあり、両方のタイアを出す練習と2つのストップを連続して行う練習はできる。だが、実際に連続でクルマが入ってくるような同じような状況は得ることはできない」「リアジャッキマンにとってはかなり難しい。彼は1台目が出ていったときに邪魔をせずに2台目が入ってきたときに元の位置に戻らなければならない。その振付はかなりトリッキーだし、ピットレーンに多くのタイヤがあるのはリスクでもあるのでよりオーガナイズされていなければならない。正しいタイヤを正しいクルマに確実に装着しなければならない。だが、出来る限り準備をしていることでもある」「頻繁にはやらないようにしている。もし1台目にトラブルが発生すれば、2台目にも影響があるし、レースで1位と2位からすぐに3位と4位になってしまう可能性がある」
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