メルセデスF1チームは、2018年にF1パワーユニットに関するルールがさらに制限されたとしても、エンジンの信頼性を限界まで攻めていくとしている。メルセデスは2017年のF1世界選手権で最も信頼性の高いF1エンジンを製造。唯一、ルイス・ハミルトンが20グリッドの降格ペナルティを受けたが、それはF1ブラジルGPの予選でクラッシュしたことによる戦略的なコンポーネント交換だった。
ウィリアムズのランス・ストロールは、同じF1ブラジルGPのプラクティスで故障に見舞われたため古いユニットに戻し、バルテリ・ボッタスもスペインGPで故障に見舞われて古いエンジンに戻さなければならなかったが、それ以外にメルセデスのエンジンを搭載するマシンに大きな信頼性の懸念はなかった。2018年からはF1カレンダーが21戦に拡大されるにも関わらず、ドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基しか使えなくなる。それでもメルセデスのエンジン責任者を務めるフィル・プリューは、単純に新しいルールを満たすためにエンジンのパフォーマンスを下げていては“チャンピオンシップには勝てない”とし、2018年のパワーユニットを信頼性の限界までプッシュしていくと語る。「正直、我々は常に限界にいる。なぜなら、我々はパワーユニットの耐久性に対して常にパフォーマンスを押し上げたいと考えているからだ」とフィル・プリューは Autosport にコメント。「パワーユニットの性能を下げて信頼性を見い出すのは簡単だ。だが、我々はそれを望んでいない。それではチャンピオンシップに勝てないだろう」「そのため、来年の世界選手権をコース上でペナルティを受けることなくユニットの規定数で乗り切り、我々全員が実力を把握しているエンジンのパフォーマンスレベルを届けられるように、現在の限界を理解し、どうすればエンジン、エレクトリックハイブリッドシステムからより多くの走行距離を引き出せるかを理解するために我々は多忙を極めている」メルセデスは、2017年にむけてF1エンジン、特にハイブリッドコンポーネントに大幅な改良を施した。フィル・プリューは、F1エンジンの信頼性へのチームの作業は“完全にエンドレス”なものであり、2018年のアーキテクチャの改良はすべて“ケースバイケース”で行っていくと述べた。「我々はあらゆる制限に取り組んでいる。エンジンのすべてのコンポーネントが我々がやっていく必要のあることに基づいている」とフィル・プリューはコメント。「ターボや電力の容量に関してはルールによってかなりの制約されている。それらはすべてレギュレーション内で定義されている」「変更が必要な場合は、信頼性とパフォーマンスを実現するために変更する。そうでない場合は、我々が把握しているものを利用していく」「実際、全てはケースバイケースで行われていくことになるが、要件は非常に明確だ」関連:ホンダF1 「2018年のF1エンジン制限はメルセデスとフェラーリに優位」
全文を読む