メルセデスは、2017年F1マシン W08のパフォーマンス不振の解決に苦しんでいる。F1モナコGPでメルセデスはダブル完走を果たしたものの、去年のF1スペインGP以来となる表彰台を逃した。メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、問題はすぐに解決できるものではないと考えている。
「ファクトリーの全員が、目標を設定するために、我々が直面している困難を評価し、データを検討し、正しい解決策を導き出すために全力で取り組んでいる」とトト・ヴォルフはコメント。「いくつか修正は短期的なものだが、それ以外はもっと長くかかるかもしれない。これまでも厳しい週末を過ごしたことはあるし、今は回復できる力を示し、立ち直るときだ。「2015年にシンガポールで抱えたトラブルを覚えている。あれは酷いものだった。我々はその次の鈴鹿にフォーカスを移す前に、問題解決のデッドラインを設けた。そして、鈴鹿では勝利した」「モナコGPを受け、全く同じことをしている。つまり、モントリオールに注意を向ける前に問題に取り組んだ。今季シーズンはスプリントではなく、マラソンだとわかっている」 過去3年間は圧勝してきたメルセデスだが、今シーズンはその展望を調整する必要があるとトト・ヴォルフは語る。「ベーブ・ルースの“昨日のホームランで今日の試合に勝つことはできない”という言葉は正しい。ポイントはシーズン毎にリセットされてゼロになるし、今年のように新たなレギュレーションが導入されたときは、過去の成功が現在のパフォーマンスになることはない」「我々は開幕6戦で3勝を挙げた強力なマシンで今シーズンを戦ってきた。しかし、そのマシンがこれまでのシーズン以上の複雑さをもたらしてもいる」 「モナコGPの日曜日、偶然に私が尊敬している人物と会い、敗北をどのように感じているかと質問された。私がいかに傷ついたかを伝えたところ、“それがモーターレースだ”と言っていた。それが今この状況における現実だ」「我々は、勝利やポールポジション、表彰台フィニッシュなど、ポイントに値するあらゆるものと格闘しなければならない。もはやタイムシートでメルセデスの2台がトップにいることを期待するようなことはできない」