マクラーレンは、F1 モナコGPで、ルイス・ハミルトンが1位、ヘイキ・コバライネンは8位だった。3番手からスタートしたハミルトンは、スタートでキミ・ライコネン(フェラーリ)をかわし2位に浮上。そのあと、タバココーナーでバリアに接触し、右リアタイアを破損。ピットストップを余儀なくされるが、このピットストップで1ストップに戦略を変更。この作戦変更が功を奏し、2位との差を大きく広げてレースをコントロール。2年目にして、伝統のモナコで見事な優勝を遂げた。
ヘイキ・コバライネンは、フォーメーションラップでギアが入らず、ピットスタートとなった。最後尾からのレースとなったが、トラブルもなく、最終的に8位でフィニッシュし、1ポイントを獲得した。ルイス・ハミルトン (1位)「月にも上りそうな心境だ。モナコの勝利は、間違いなく僕のキャリアハイライト。今日という日を絶対に忘れることはないだろう。素晴らしい仕事をしてくれたスタッフ全員と、常に支援してくれる家族に感謝したい。今日は何かと慌ただしいレースだった。スタートがうまく行ってキミ(ライコネン)をパスして、フェリペ(マッサ)にアタックするチャンスを窺っていた。すると、突然雨が強くなって、視界が急に悪化した。タバココーナーは、コースにかなり水が乗っていて、突然オーバーステアに陥った。衝撃はほんのわずかだったが、タイヤにダメージを受けて、ピットに入らざるを得なかった。セーフティカー・ピリオドでギャップを短縮できたのはラッキーだった。同時に2ストップ作戦に切り換えた。首位に立って、マージンを40秒に拡大した時点で、チームからは「これでひとまず安心だ」と言われたが、2度目のセーフティカー導入でそのマージンを一気に失ってしまった。だが、レースをコントロールすることができた。忙しい1日だったが、素晴らしい結果だ!」ヘイキ・コバライネン (8位)「フォーメーションラップ・スタート時にギアが入らず、その瞬間に上位フィニッシュは無理だと悟った。精神的にタフなレースだった。ステアリングホイールを交換して、ピットレーン出口からスタートした。とにかくハードに攻め続けたが、前が空いた時以外は自分のペースで走ることができなかった。マシンフィールが良かっただけに、残念でならない。今回は1ポイントを獲得できたことでよしとしよう。次戦モントリオールではスタートからフィニッシュまで100パーセントの力で攻め続けたい」 ロン・デニス「今日は素晴らしい1日だった。チームとしてのパフォーマンスは特筆に値する。ルイスがタバココーナーでタイヤにダメージを受けてから、プレッシャーのかかる中で見事な戦略変更をやってのけた。ヘイキがグリッド上でトラブルに見舞われなかったら、1-2フィニッシュも夢ではなかっただろう。レースペースが良かっただけに、残念だ。だが、トラブル後の走りを見ていて、『近い将来、ヘイキの日も必ず来る』と確信した。ルイスの勝利はセンセーショナルと言っていいだろう。この勝利により、彼はチャンピオンシップリーダーに返り咲いた。次戦カナダGPは、ルイスが12ヶ月前に初勝利をマークした場所だ。今後もハードワークを続ける」 ノルベルト・ハウグ「ルイスのパフォーマンスは、素晴らしいの一語に尽きる。チームは、難しい状況の中で最良の戦略を選択し、ルイスは最速でモナコを駆け抜け、そしてほんのちょっとの幸運に恵まれた。マクラーレンとのパートナーシップによる5度目のモナコ制覇は、同時にパートナーシップ通算54勝目に当たる。一方、ヘイキは気の毒でならない。フォーメーションラップ・スタート時のギアトラブルがなかったら、表彰台フィニッシュが見えていた。しかし、粘り強く走行して1ポイントを獲得してくれた。今日の勝利は、全力を尽くしてくれたスタッフ全員とパートナー、とりわけボーダフォンの支援の賜物だと思う。しかし、タイトルの行方はまだまだ分からない。今後もタイトル獲得に向けて邁進する」