マクラーレンは、2027年のFIA世界耐久選手権(WEC)およびル・マン24時間レースに投入するFIAハイパーカー「MCL-HY」を発表した。2026年に本格的なテストプログラムを開始し、冬のホモロゲーション取得を経て、2027年のWECデビューを目指す。MCL-HYは、マクラーレンがF1、インディカーに続き、世界最高峰の耐久レースへ再び挑むためのマシンとなる。
同時に、VIP顧客向けの超限定トラックカー「MCL-HY GTR」のベースにもなり、マクラーレンのレース活動と市販車部門を結ぶ象徴的なプロジェクトとして位置づけられている。ル・マン復帰を告げるMCL-HYマクラーレンが発表したMCL-HYは、ACO/IMSAのLMDhレギュレーションに基づいて開発されるFIAハイパーカーだ。軽量カーボンファイバー製モノコックを採用し、パワーユニットにはツインターボV6レーシングエンジンとハイブリッドMGUシステムを組み合わせる。最高出力は最大520kW(707PS)で、駆動はリアアクスルに伝えられる。最低重量は1,030kgとされ、FIA世界耐久選手権とル・マン24時間レースで求められる性能と効率の両立を狙って開発されている。2026年のテストプログラムでは、マクラーレン・ハイパーカー・チームのワークスドライバーであるミケル・イェンセンに加え、マクラーレン・ドライバー・デベロップメント・プログラムのグレゴワール・ソーシーとリチャード・フェルシュホーが参加する。さらに、ユナイテッド・オートスポーツのベン・ハンリーも開発経験をチームにもたらす。M6Aに着想を得たテストカラー発表されたMCL-HYは、2026年用のテストリバリーをまとって公開された。そのデザインは、ブルース・マクラーレンがかつてル・マン参戦を夢見たM6GTの源流にあたるマクラーレンM6Aから着想を得ている。マクラーレンにとってスポーツカーレースは、1960年代後半から1970年代前半のCan-Amでの支配的な活躍、そして1995年ル・マン24時間レースでのマクラーレンF1 GTRによる伝説的勝利に連なる重要な歴史だ。今回のMCL-HYは、その系譜を受け継ぐだけでなく、マクラーレンが再びモナコGP、インディ500、ル・マン24時間レースから成るモータースポーツのトリプルクラウンに挑むための新たな一歩となる。ハイブリッドを外した顧客向けMCL-HY GTRMCL-HYをベースにしたトラックカー仕様のMCL-HY GTRも、レースカーと並行して開発されている。こちらはFIAハイパーカーで義務づけられるLMDhハイブリッドシステムを搭載せず、2.9リッターV6ツインターボ・レーシングエンジンのみで駆動する。これにより乾燥重量を抑えつつ、出力は約730PSに達する。マクラーレンはこの仕様について、顧客がより純粋なトラック走行体験を得られるよう、複雑さを減らし、所有しやすさを重視した選択だとしている。MCL-HY GTRのオーナーには、単なる車両所有を超えたプログラムも用意される。Project: Enduranceでは、WEC参戦チームのテストと開発、そして2027年ル・マン24時間レースへ向かう過程に参加できる。さらに、2年間で6イベントのトラック走行プログラムも組み込まれ、主要国際サーキットでの走行、PURE McLarenイベントでのドライブ、プロドライバーによるコーチング、専属ピットクルー、レースエンジニアリングサポートが提供される。MCL-HY GTRの納車は2027年末に開始される予定だ。ザク・ブラウン「3つの世界最高峰シリーズに挑む」マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、MCL-HYの発表について次のように語った。「何年も、何か月もかけて準備してきて、ついにMCL-HYを世界に披露するところまで来た。マクラーレン・レーシングには今、世界最大級のモータースポーツシリーズに挑む3台のレースカーがそろっている。F1、インディカー、そしてWECだ」「これは、マクラーレン、そのパートナー、そしてファンが、モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レースというトリプルクラウンにともに挑めることを意味している。我々を際立たせる、唯一無二のクロスシリーズの物語だ」マクラーレン・オートモーティブCEOのニック・コリンズは、顧客向けプログラムについて次のように述べた。「これはマクラーレンの歴史において非常にエキサイティングな瞬間であり、Project: Enduranceプログラムを通じてこの新たな旅を始められることをうれしく思っている。MCL-HY GTRは、トラック走行を愛する人々に、これまでにないほど身近なFIAハイパーカー体験を提供する」「この旅に参加する人々は、マクラーレンの最高の部分を見て、感じることになる。そして、我々のレーシングヘリテージがこれまで以上に未来を形づくっていることを知るはずだ」マクラーレン・エンデュランス・レーシングのエグゼクティブディレクターであり、マクラーレン・ハイパーカー・チーム代表を務めるジェームス・バークレーは、次のように語った。「MCL-HYの発表は、マクラーレンがスポーツカーレースの頂点へ戻る次章の幕開けを示すものだ。1960年代のCan-Amのルーツを反映し、敬意を払ったテストリバリーから、世界最高水準のチームによって設計・開発されている新しいハイブリッド搭載ハイパーカー、そして1995年のマクラーレンF1 GTRのように、我々の顧客をル・マン総合優勝を目指すマシンのドライビングシートへ戻すトラックカープログラムまで、すべてがつながっている」「これは、我々の旅の始まりを意味している」