マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、カタールGPで発生したセーフティカー周回中にライバル勢が次々とピットインした判断を「予期していなかった」と語り、この決断が勝利を失う大きな要因になったと認めた。レースをリードしていたオスカー・ピアストリは序盤から快走していたが、ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーの接触事故により展開が一変。
7周目に入ったセーフティカーによって、多くのドライバーがピットインし、25周のスティント上限がある中で残り1回のストップで走り切れる状況が生まれた。リードを守ったままステイアウトしたマクラーレンしかし、ピアストリとランド・ノリスの2台はステイアウトを選択。対照的にマックス・フェルスタッペン以下ほぼ全車がピットに向かい、フェルスタッペンは約26秒相当のピットタイムを最小限のロスで消化し、再スタート時に3番手につけた。結果として、マクラーレンの判断は痛恨となり、フェルスタッペンはそのまま70勝目へ。ピアストリは2位、ノリスは4位にとどまり、ノリスの選手権リードはフェルスタッペンに対してわずか12ポイントまで縮まった。「誰もがピットに入るとは思わなかった」ステラ代表の説明ステラ代表は Sky Sports F1 に対し、当時の判断を次のように説明した。「我々は、あのタイミングで全員がピットに入るとは予想していなかった。もし後ろの全車が入るのであれば、もちろん我々も入るべきだったと言える」「先頭にいると、他車がどう動くかを完全には把握できない。2台を同時に入れるダブルスタックでランドに不利になる可能性もあった。ただ、主な理由は“全員が入るとは予想していなかった”ということに尽きる。決断ではあったが、結果として正しい判断ではなかった」ステラ代表は続けて、今回の判断が「望んだ結果ではなかった」と述べ、次戦アブダビが決定的な週末になると強調した。高いデグラデーションで逆転の余地なしマクラーレンはフェルスタッペンより速いペースを持っていたものの、ステラ代表はタイヤのデグラデーションが予想以上に大きかったと説明した。「別のセーフティカーが入れば我々に大きなチャンスがあった。ウィル(ノリスのレースエンジニア)が言及していた柔軟性だ。7周目にピットに入ったドライバーは“7-32-57”という明確な戦略になり、結果的にそれが非常にうまく機能した」「我々はマシンのペースでギャップを広げられると考えていたが、非常に高いデグラデーションがあり、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができなかった」