マクラーレンは2026年に向けてF1アカデミー参戦体制を拡大し、14歳のエラ・ハッキネンをドライバー育成プログラムに加えた。父はF1二度の王者ミカ・ハッキネン。エラは2027年に向けてシングルシーターでのテストを開始し、本格的にフォーミュラキャリアへ踏み出す。元F1ドライバーのミカ・サロは、フィンランドのIltalehtiに対し「彼女は本当に速い」と語り、今回のマクラーレン加入が「決定的なキャリアの節目」だと強調した。
サロはカート時代からエラのスピードに注目してきたという。「エラは本当に速い、信じられないくらいだ。男の子たちと互角に戦えていた。マクラーレンに入るのは時間の問題だった」とサロは述べる。さらに、現在のモータースポーツ構造において、ワークス育成への加入は“必須”だと語った。「いまはチームのジュニアプログラムにいなければ前に進むのは本当に難しい。ほぼ不可能だ。資金面のサポートだけじゃなく、トレーニング、メンタル、フィジカル、そしてあらゆる面での助言が受けられる。トップチームならなおさらだ」将来的なF1到達の可能性について問われたサロは、はっきりと言い切った。「スピードが十分なら、なぜダメなんだ? まったく問題ない。彼女は男性と同じように走れる。ただ、エラはまだ若いから、F1に到達するまでには長い道のりがある」それでも、マクラーレンへの加入は“正しい一歩”だとサロは締めくくる。「これで正しい道に乗った」F1アカデミー×ワークス育成という“黄金ルート”今回のマクラーレン育成入りは、単なる契約以上の意味を持つ。2024年以降、F1アカデミーは実質的に“F1直結の女性ドライバールート”として位置づけられ、ワークスチームが1名ずつ支援する体制へ移行した。マクラーレンは2026年に枠を拡大し、本格的な若手育成にアクセルを踏んでいる。エラ・ハッキネンは14歳という若さながら、すでにトップチームのメンタル・フィジカルトレーニング環境を手にしており、ステップアップのスピードに大きな影響を与えることは確実だ。“初の女性F1ドライバー誕生”に向けた期待値F1で女性ドライバーがグランプリレースを走ったのは1976年が最後で、数十年にわたって“空白”が続く。その中でサロが「行けない理由はない」と断言したことは象徴的だ。もちろん、F3、F2で結果を残し、総合力を示す必要がある。しかし14歳の時点でマクラーレンが長期投資を決断したという事実は、チームが彼女の“天性の速さ”を確信していることの証でもある。父ミカ・ハッキネンの“影響力”と“圧力”二度のF1世界王者の娘というのは最大の武器であり、時に重荷にもなる。だがエラはすでに国際的なジュニアカテゴリーで“名前ではなく速さ”を示してきた。サロの言葉が示す通り、プロの視点から見ても“速い子が上に上がるべくして上がっていく”段階に来ていると言える。マクラーレンという環境により、この才能がどこまで磨かれるか。F1アカデミー、F4、FRECA、F3、F2――そしてF1へ向けて、注目すべき新世代ドライバーがまた一人誕生した。
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