2025年F1イギリスGPでランド・ノリスが母国初勝利を飾った記念すべき一戦の裏で、“特別な”優勝記念品が悲劇に見舞われていた。マクラーレンが獲得したレゴ製コンストラクターズトロフィーが、表彰式後に粉々に壊れてしまった。このトロフィーは、F1とレゴの公式パートナーシップの一環として制作されたもので、ドライバー用に3つ、そしてコンストラクター用に1つ、計4つが用意された。
7人のレゴマスタービルダーが総計210時間をかけ、2,717個のパーツを用いて設計・組み立てた「プライスレス」な一品だった。コンストラクターズトロフィーは、サウバーのニコ・ヒュルケンベルグがF1キャリア239戦目で初表彰台を獲得するなど波乱に満ちたレース後、マクラーレンのテクニカルディレクター、ピーター・プロドロモウに授与された。しかし、表彰式終了後に撮影された映像には、地面に砕け散ったトロフィーと、それを前に絶望の表情を浮かべるプロドロモウの姿が映っていた。SNSで共有された動画では、プロドロモウが懸命にトロフィーを元に戻そうとする姿も確認されている。壊れた原因は不明だが、シャンパンボトルの扱いがきっかけだったとされ、複数人が集まり修復を試みる様子も見られた。最終的にはサーキットのスタッフによって回収された。なお、ノリス本人は同じくレゴ製のドライバートロフィーとRACトロフィーを両手に持って表彰台裏の階段を下りている様子が撮影されており、壊れたトロフィーの周囲にはいなかったことから、今回の件に直接関与していないとされている。ただしSNS上では、「ランドがまたやったんじゃない?」「マクラーレンのトロフィー呪いかよ」「さすがマクラーレン、いろいろ壊れる」といった冗談交じりの投稿も見られた。ノリスは過去に2023年のハンガリーGPで、シャンパンボトルを勢いよく叩きつけた結果、フェルスタッペンの陶器製優勝トロフィーを粉砕してしまった“前科”があるためだ。なお、今回ノリスは表彰式後のファンとの交流中に、フェンスが崩れた際にカメラマンと接触し鼻を負傷したものの、レゴトロフィー破損には無関係だったことが明らかになっている。レゴのクリエイティブ責任者であるサミュエル・リルトープ・ジョンソン氏は「このトロフィーにかけた時間と労力を考えると、金額では評価できない」と語り、「シルバーストンでこの瞬間の一部になれたのは本当にクレイジーな体験だった」と感慨を述べている。
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