マクラーレン・グループは、2020年第1四半期の決算を発表。前年同時期比で1億7500万ポンド(約232億円)の収益減を記録した。新型コロナウイルスの世界的大流行は、販売店の一時閉鎖をもたらし、自動車の生産自体もストップしたため、マクラーレン・グループを含めた自動車業界に大混乱をもたしている。
マクラーレン・グループの第1四半期の総売上高は、2019年の2億8400万ポンド(約376億円)から1億7500万ポンド(約232億円)に減少。税引き後の損失も2000万ポンド(約26億5000万円)から1億1000万ポンド(約145億円)に増加した。F1とインディカーを運営する子会社のマクラーレン・レーシングの収益は、2019年の同時期と比較して今年の最初の3か月で400万ポンド(約5億3000万円)の減少。レースが開催されなかったことで第1四半期に賞金は分配されなかった。だが、スポンサーシップの収益が410万ポンド(約5億4300万円)に増加したことでいくらか相殺されている。世界的な経済危機によってマクラーレン・グループ全体のさらなる被害を抑えるために、現在、同社は流動性ポジションを強化するために最大で2億7,500万ポンド(約364億円)相当の、有担保および無担保の潜在的な資金調達の選択肢を検討している。マクラーレン・グループは、収益は大幅に減少したにも関わらず、依然としてコストを賄う必要があり、それが“年の中頃にグループに影響を与える予想外の流動性の必要性”に直面すると説明している。「運転資本資金は、グループの流動性要件をサポートするために追求されており、サードパーティとの議論が進行中だ」と提出書類で述べた。「現在、マクラーレン・グループは流動性ポジションの強化に相当する2億7,500万ポンドに相当する、無担保および無担保の潜在的な資金調達の代替案を検討している。現在、契約の放棄についても当行の銀行グループと協議中だ」また、年間3,000万ポンド(約4億円)の節約が「販売とマーケティング、イベント、モータースポーツ、旅行、レース費用、ITおよび施設管理など、その他の諸経費から発見された」と付け加えた。マクラーレン・グループは今週、景気後退を乗り越え、F1の予算上限に対応するために、4000人の従業員の25%にあたる約1,200の人員削減を計画していることを発表。それにより、4,500万ポンド(約6億円)のコスト削減になると主張しているが、これについても“流動的な状況”であると認めている。マクラーレンは「7月上旬にオーストリアで行われる予定の最初のレースに向けて、6月にレーシングチームをレイオフから戻す予定」と語っている。興味深いことに、マクラーレンは「シーズンが2020年7月に開始されれば、2020年のレースの正味コストは2019年よりも悪くならないことを期待している」と述べている。マクラーレンはまた、第2四半期の数値も第1四半期と同等の損失になると予想しているが、第3四半期と第4四半期には回復が始まることに楽観的だと述べた。