マクラーレン・グループは、F1チームを含めた組織全体の75%におよぶ1200名の従業員をコスト削減のために解雇する計画を発表した。マクラーレンは、新型コロナウイルスによる財政危機を受けてF1スタッフの過半数を一時解雇し、ドライバーの給与削減を実施した最初のチームだが、深刻な財政難はF1チームだけにとどまらず、自動車および技術部門を含めたグループ全体に及んでいる。
マクラーレン・グループは、イギリス政府に1億5000万ポンド(約2000億円)の融資を求めたが却下されており、上場廃止を阻止するためにアイルトン・セナらがドライブした歴史的なF1マシンと本社であるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)を担保に入れて最大2億7500万ポンド(約360億円)の資金を調達することを計画したが、株主からの反対にあって停滞していると報じられている。マクラーレン・グループの会長であるポール・ウォルシュは、大規模なリストラを敢行する以外に“選択肢がなかった”と述べ、従業員との協議を開始することを発表。グループ全体で1200名を解雇することになると予想していると述べた。「我々は今回のリストラがすべての従業員、特に仕事に影響を与える可能性のある人々に与える影響を誠に遺憾に思っている」とポール・ウォルシュはコメント。「我々はビジネスのすべての分野で劇的なコスト削減策をすでに実施しており、このような行動を回避するために懸命に取り組んできた。だが、もはや従業員の規模を削減する以外に選択肢はない」「我々の会社、特に従業員にとって、今は間違いなく困難な時期だが、我々は成長に戻るための明確な指針をもった効率的で持続可能なビジネスとして浮上することを計画している」今回のリストラによる各部門の詳細はまだ整理されていないが、マクラーレンF1チームの800名の従業員のうち約70人が解雇されると予想されている。先週、F1チームは2021年から導入する予算上限を1億7500万ドルから1億4500万ドルに引き下げることに合意。翌年からさらに段階的に上限を引き下げるとした。この動きは、F1チームのスタッフのさらなる削減することを強いることが予想されている。ポール・ウォルシュは、マクラーレンF1チームについて次のように続けた。「マクラーレン・レーシングは、2021年のF1の新しい予算上限の導入を支持してきた。これにより、チームの持続可能な財務基盤が構築され、より競争力のあるスポーツが実現する」「これは我々のF1チームの形態と規模に大きな影響を与えるが、我々は今後のレース勝利とチャンピオンシップに再び挑戦できるようするために2021年以降に予算上限を実施する準備を整えるための必要な措置を取り始めている」
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