マクラーレンF1チームのCEOを務めるザク・ブラウンは、従業員を一時解雇するという決断は“責任のある行動”であると述べ、英国を拠点とする“一部”のチームだけが同様の措置を行っていないことに驚いていると付け加えた。先週、マクラーレンはF1チームと市販車部門の従業員の一時解雇に踏み切ったことを発表。英国政府は最近、新型コロナウイルスの雇用維持制度を導入しており、企業は3か月間で最大2,500ポンドまでの労働者の賃金の80%をカバーする助成金を請求することができる。
加えて、カルロス・サインツとランド・ノリスは、ザク・ブラウンら他のスタッフと同じ給与カットに同意した。ザク・ブラウンは、これらの対応は“私がしなければならなかった最も難しい決断”であると述べたが、それは進行中の新型コロナウイルス危機を鑑みれば、唯一の責任ある決定であると述べた。「我々は十分な資金のあるレーシングチームだが、誰もが限界がある」とザク・ブラウンは BBC Sport に語った。「F1に関連しており、我々が多くのお金を失うことは秘密ではない。私の株主はF1からの価値創造を望んでいる。したがって、損失を拡大させるだけという選択肢はない」「私は無制限の小切手帳を持っていないし、それを行う責任があった」マクラーレンに続き、ウィリアムズF1チームも従業員の一時解雇とドライバーの給与減額を決定している。ザク・ブラウンは「率直に言って、私は失望しているが、多くのチームがまだ追随していないことに驚いている」と付け加えた。「F1は本当の危険があると思う。業界としてのこのよな話題を見て見ぬふりをすることはできるが、今はそうするときではないと思っている」ザク・ブラウンは、新型コロナウイルス危機によってF1は“非常に脆い状態”にあり、大きな変更が行われなければ4チームを失うリスクがあると警笛を鳴らす。「2チームに消滅の可能性があると思うかって? 現在の世界情勢を見る限り、状況にこれから非常に積極的に対応していかなければあると思う。それどころか、対応を誤れば4チームの消滅もあり得る」とザク・ブラウンをコメント。「それにF1チームの強化には時間がかかるし、今は人々の健康と経済の危機だ。それを考えれば、今までのように多くの人が列をなして買収に名乗りを上げるかというと…今はタイミングが最悪としか思えない。だから今、F1は非常に脆い状態にあると思っている」