マクラーレンは、F1オーストラリアGPでF1マシンやチームウエアからスポンサーのブリティッシュ・アメリカン・タバコのイニシアチブ“A Better Tomorrow”のロゴを削除することを決定した。今年、マクラーレンはブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)との提携を発表。このパートナーシップは直接的なタバコの販売を促進するものではなく、“BATの潜在的にリスクを低減する製品、テクノロジーとイノベーションに重点をおいた”ものだと説明していた。
マクラーレンは、これまでF1マシンやドライバーのレーシングスーツを含めたチームウエアに“A Better Tomorrow”のブランディングとロゴを使用していた。しかし、開幕戦が開催されるオーストラリアの公衆衛生機関は先月、フェラーリのタイトルスポンサーであるフィリップモリスの“Mission Winnow”のブランディングの合法性の調査を開始していた。その結果、フェラーリは今週末のF1オーストラリアGPでは“Mission Winnow”に代えて、スクーデリア・フェラーリの90周年を祝うロゴに変更することを決定。これを受け、BATも自主的にマクラーレンからブランディングを削除する決定をしたと考えられている。マクラーレンとBATとの合意の一部として、F1オーストラリアGPでは一回限りでセブンイレブンのロゴがF1マシンとチームウェアに掲載される。フィリップモリスの“Mission Winnow”と同じく、BATの“A Better Tomorrow”も第2戦バーレーンGPでは復活すると見られている。フィリップモリスとBATの活動はタバコを宣伝するための偽装だと非難されているが、マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンはそれを強く否定する。「BATはモータースポーツで長い歴史を持つ優れた企業だ。我々のパートナーシップは彼らの新しい世代の製品の技術をベースとしてものだ。ビジネスのタバコ面とはまったく関係ない」「彼らの業界は変革を起こしており、テクノロジー主導の業界だ。そのため、我々には、彼らと協力し、テクノロジーをめぐる彼らの変革の旅において彼らを助けることができる分野があると思う。彼らは一緒に仕事をするには素晴らしい会社だ」「世界は日々進化し、変化している。おそらく今日よりも速いペースで変化していくだろう。彼らの会社は変化し、前進し、新しい分野に進出している。彼らは革新しようとしている。10年、15年、20年前に起こったことは、世界は別の場所であり、彼らの風景は変化している。F1は彼らにとって良いプラットフォームだ。」「マクラーレンがパートナーシップの中で誇りにしていることのひとつは、革新的な大手企業と協力することだ。BATはそのカテゴリに確実に入れることができる」ザク・ブラウンは、フィリップ・モリス/Mission Winnawの状況とマクラーレンのブリティッシュ・アメリカン・タバコとのパートナーシップが、タバコ関連企業がF1に戻ってきた“傾向”の証拠であるとの見方を否定した。「フィリップ・モリスは絶えずフェラーリと一緒にいたし、BATはレースにおいて素晴らしい歴史を持っている、彼らはそれの影響力を理解しているし、彼らが新しい旅を進めていくなかで、彼らはマクラーレンがその助けになることができるパートナーだと感じた」とザク・ブラウンは述べた。
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