マクラーレンは、レーシングディレクターを務めてきたエリック・ブーリエの辞任を発表。レース現場でのリーダーシップを再構築し、ジル・ド・フェランがスポーティングディレクターとしてレースチームを統括することを合わせて発表した。マクラーレンによると、昨日3日(火)にエリック・ブーリエから辞任の申し出があり、マクラーレン・レーシングの最高経営責任者を務めるザク・ブラウンがそれを受け入れたとしているが、後任人事はすでに決定しており、事実上の更迭だ。
またザク・ブラウンは、テクニカルチームのリーダーシップを簡略化することを発表した。今後はマクラーレン・レーシングのCOOを務めるサイモン・ロバーツが、生産、エンジニアリング、物流を監督。アンドレア・ステラがパフォーマンスディレクターに就任し、レース現場での責任を負う。ジル・ド・フェランが新設されたスポーティングディレクターに就任し、チームのレースパッケージの効果を最大限に引き出す役割を担う。マクラーレンによると、今回の組織変更は、レーシング組織の技術リーダーシップの包括的なプログラムの始まりであり、チームはグリッドの上位に返り咲くために社内外の最高の才能を引きつけるために投資していくとしている。ザク・ブラウン「2018年のMCL33のパフォーマンスは、マクラーレンの誰の期待にも応えていない。我々の忠実なファンにとってはなおさらだこれはマクラーレンの何百人の従業員のコミットメントやハードワークが欠落しているからではない」とコメント。「原因は体系的かつ構造的なものであり、内部の大きな変化が必要だ。今日の発表はそれらの問題に取り組み、回復へ第一歩を踏み出すことへの始まりだ」「この機会にチーム全体を代表して、エリックのマクラーレンへの貢献と仕事に感謝したい。彼の今後の活躍を祈っている」エリック・ブーリエは、過去4年間にわたり、この輝かしいチームと仕事ができたことを誇りに思う。だが、私は今が退くには適切な時間だと認識している。残りのシーズン、そして、今後のマクラーレンの全員の活躍を祈っている」昨年限りでホンダとのパートナーシップを解消し、今年からルノーのパワーユニットを搭載するマクラーレンだが、期待された結果は出せておらず、F1オーストリアGP終了時点でコンストラクターズ選手権6位に沈んでいる。また、F1フランスGPの週末にはF1スタッフがチームの職場環境に不満を訴え、元チーム代表のマーティン・ウィットマーシュに協力を求めたという“内紛”が報じられ、匿名のチームスタッフがエリック・ブーリエを含めた現上層部を信頼しておらず、陰で“アンタッチャブルズ”と呼んでいることや、作業が終了した際には対価としてチョコレート菓子の“フレッド”が1個ずつ配られていることを告発。“フレッド・ゲート”“チョコレート・ゲート”として話題となった。