マクラーレンが、ホンダと決別し、2018年からメルセデスのカスタマーエンジンに戻ることを決断したと Daily Mail が報じている。同紙は「Sportsmailは、マクラーレンが現在のエンジンパートナーであるホンダの競争力と信頼性不足に忍耐が突き、と決別すると考えている」と報道。記事では、それにより、マクラーレンは9000万ユーロ(約111億円)を犠牲にすると伝えており、メルセデスとの契約は最終段階にあり、夏休み前の7月末もしくは8月の初めに発表されると付け加えられてる。
2015年に開始されたマクラーレンとホンダのパートナーシップだが、この3年間はマクラーレンにとって期待外れなシーズンとなった。F1の歴史で2番目に成功を収めているマクラーレンは、毎回白煙の上げるホンダのF1エンジンによってパドックの笑いの種となった。そして、その長いトンネルの先に光は見えてない。先週末のF1カナダGPの決勝では、フェルナンド・アロンソのマシンにまたエンジン故障が発生。レース後、アロンソはホンダのF1エンジンのスピード不足は“危険なレベル”だと語っていた。また、フェルナンド・アロンソは、9月までにマクラーレン・ホンダが優勝できないようであれば、チームを出ていくと語っており、その期限内にホンダのF1エンジンが競争力をつける可能性は極めて低いと考えられている。マクラーレンは、評価の高いフェルナンド・アロンソを失いたくないと考えており、メルセデスへのエンジン変更は、アロンソをなだめ、残留を説得するための唯一の短期的な解決策となっている。ここ数週間でマクラーレンのザク・ブラウンとエリック・ブーリエは、ホンダへの批判を繰り返してきた。ザク・ブラウンは「ホンダはとても一生懸命に働いている。だが、彼らは少し道に迷っているようだ」とコメント。「我々には決定的なスケジュールがない。それは懸念だ。痛みは大きくなっているし、我々は永遠に無駄な時間を過ごすことはできない」また、フェルナンド・アロンソのリタイアで終わったレース後にはエリック・ブーリエが「自分たちの残念な気持ち、フラストレーション、そして悲しみを表現するために正しい言葉をみつけるのは、容易ではない。だから、これだけ言っておこう。単純に、そして確実に、今の状態では不十分だ」と述べている。実際、マクラーレンの長年の共同オーナーであるマンスール・オジェは、モントリオールでメルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフ、非常勤取締役のニキ・ラウダと長時間において会談していたことが目撃されている。マクラーレン・ホンダは、1988年から1991年にアラン・プロストとアイルトン・セナによって4度のドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得し、黄金時代を築いた。一方、マクラーレンはメルセデスとも成功を収めており、1998年と1999年にはミカ・ハッキネンが2度のワールドタイトルを獲得。1998年にはチームにとって最後のコンストラクターズタイトルも獲得している。マクラーレンがドライバーズタイトルを獲得したのは2008年のルイス・ハミルトンが最後。また、ジェンソン・バトンによる2012年のF1ブラジルGP以降、優勝から遠ざかっており、メルセデスのカスタマーチームとしての最終年となった2014年にオーストラリアGPでケビン・マグヌッセンとジェンソン・バトンによるダブル表彰台以降、表彰台にも上がれていない。ホンダのF1エンジンとなった2015年以降は5位が最高位。今年は7戦を終了した時点でまだポイントを獲得できていない。コメントを求められたマクラーレンの広報担当は「何も決定していないというのがこの件の真実です」と語っている。