マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、2017年ここまでのシャシー側の空力開発は95%の成功率を達成していると主張。あとはホンダの改善次第であることを示唆した。主にホンダのエンジンの信頼性問題とパフォーマンス不足により、マクラーレン・ホンダは開幕6戦でノーポイント。チーム史上最悪のシーズンスタートとなっている。
だが、F1スペインGPではMCL32に大幅なアップグレードを投入。ホンダも10馬力の価値とされる燃料およびインテークシステムの微調整を実施し、フェルナンド・アロンソが初のQ3進出を果たし、7番グリッドを獲得した。続くF1モナコGPでもマクラーレンはアップグレードを投入。フェルナンド・アロンソの代役を務めたジェンソン・バトンとストフェル・バンドーンが、今季初となる2台揃ってQ3進出。決勝では、両ドライバーにグリッドペナルティが科せられ、両車がクラッシュリタイアしたことでシーズン初ポイント獲得はならなかったが、エリック・ブーリエは、マシンの空力パフォーマンスは、マクラーレンが選択した開発の方向性が正しいことを示したと考えている。「エンジニアが言うように“計画通り”だ。とても満足している」とエリック・ブーリエは Autosport にコメント。「我々が達成したかったステップを果たしている。相関関係は素晴らしい。我々は予想していた95%を達成している。これは素晴らしいことだ」「現在、我々は自分たちのプロセスを信頼している。空力だけでなく、シャシー、サスペンションなど、全てがプロセスに従っている」「マイルストーンを設定するごとに何を予想すればいいかをわかっている。本来の流れからは逸れてはいるが、新しいプロセスによって達成したかったことができていることには満足している」「現在、我々は作業の方向性を信頼することができている」スペインとモナコでマクラーレンが導入した2段階のアップグレードは、ホンダの信頼性とパフォーマンスが改善さえすれば、マクラーレンにはミッドフィールドをリードできる部分までマシンを向上させた。マクラーレンは、トロ・ロッソ STR12が生み出す多くのドラッグは従来のトラックではモナコでのパフォーマンスを繰り返すことはないと考えており、フォース・インディア、ウィリアムズ、ハース、ルノーは、全てエンジンパフォーマンスから利益を得ていると見ている。エリック・ブーリエは、MCL32の現行版は、残りの2017年シーズンの空力開発を判断するためのリファレンスになると語る。「我々はリファレンスを設定してきたし、現在、我々がそれを達成していることを把握している」とエリック・ブーリエはコメント。「手順とプロセスが機能しているかどうかは内部目標だったし、そこは機能している。今は、次の目標を達成するための自分たちの能力にとても自信を持っている」「クルマは発展し続けていくが、プラットフォームには満足している」