マクラーレン・ホンダにとってバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたシーズン中の公式テスト最終日は、昨日よりも実りの多い一日となった。今日は先週末のレースに続き、ストフェル・バンドーンがドライブを担当した。午前9時のテスト開始とともに、チームはすぐに本日のプログラムを開始。一日を通してコンスタントにテスト走行を行った。
ストフェル・バンドーンはお昼の休憩を迎える前に56周を走行。その後、チームは昼食時間を利用して、時間を要するマシンのセットアップ変更を予定どおり行い、午後4時ごろにコースに復帰した。本日のテストでは、車体のセットアップとハンドリング設定の組み合わせのテスト、空力データのシュミレーションとの整合を確認するテスト、パワーユニットのドライバビリティと信頼性に関するテストに、大半の時間を費やした。 今日はトラブルのない、収穫の多い一日となり、午後6時にセッションが終了。バンドーンは合計81周を走行した。ストフェル・バンドーン「今日は、おそらく今シーズンで最もいい一日でした。大きな問題もなく、プログラムを消化できたのは、今日が初めてです。 予定していたことをすべて完了することができましたし、バルセロナで行われた冬季テストではできなかったセットアップ作業をいろいろと実施することができました。 今日は非常に実りある一日でしたし、多くの周回を重ねられたことにとても満足しています。特に先週末も昨日もあまりいい状況ではなかったので、うれしく思っています。今回はグランプリ週末に続いて公式テストがあり、テストでは多くの問題が発生したので、チームにとっては大変な一週間でした。それでもチームのメンバーは、懸命に作業を続け、毎回マシンをコースに戻すためにとてもいい仕事をしてくれました。 今日は本当にいい一日でしたが、毎日このぐらいいい一日になるようにしなければいけないと思います。次の週末も今日のような一日になるという保証はありませんが、だからこそ今日できたことからよく学ぶ必要がありますし、このよい状態を次のグランプリまで維持し、状況を改善できることを願っています。今日はさまざまなセットアップを試すことができたので、私とチームの両方にとって、とてもよかったと思います。(かなり基本的な要素ではあるものの)新しいパーツをいくつかマシンに搭載し、いろいろと試したり、学んだりすることができました。どのようにパフォーマンスを向上できるのかを確認できたことは本当に有意義でしたし、とても生産的な内容でした。 今日、それから週末を通して、マシンにはかなりの手ごたえを感じていました。車体の動きはいいですし、次の数戦のうちに新しいパーツをさらにマシンに導入する予定です。大事なのは、グランプリ週末にすべてをスムーズに行うことです。まだそれができていませんが、それができれば、我々が前進しつつあることを示すことができるのではないかと思っています。これからも精力的に仕事を続け、すべてが一つにまとまるのを待つのみです」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「今日は、信頼性の面で、すべてのものが完ぺきに機能しました。また、セッティングに関しては、予定よりも多くの作業を実施することができました。今日はあるべき形でテストを行うことができ、コース上での時間を最大限に活用することができました。すべて予定どおりにテストスケジュールを消化し、連続走行も行いました。今日のテスト内容には、とても満足しています。 今日はなんの問題もなく走行できたので、ここ数日の間に発生した不具合について理解するのは簡単ではありません。ただ、ホンダは原因がどこにあるのかを見つけるために、懸命な仕事を続けています。今日はこれまでよりもさらにアグレッシブなセットアップで走行することができ、膨大な情報を収集しながら、解決策についても数多くテストしました。従って、データおよび結果の両面で、非常に前向きな一日となりました。 ここ2週間は、マクラーレン・ホンダの全員にとって試練のときでした。自宅を離れて久しいというのに、長時間にわたって懸命に仕事をし、信じられないほどの努力を重ねてくれたチームのメンバーには、感謝してもしきれません。オリバーとストフェルも、すばらしい仕事をしてくれました。特にストフェルは、連戦となったここ2週間は困難な状況に直面していたため、今日のテストで多くの周回を重ねられたことは、本当に貴重でした。 今回はいいタイミングで、最終日にかなりの距離を走行することができました。私たちは、引き続き前進するために今まで以上にやる気に満ちた気持ちで、これからファクトリーに戻ります。データを解析しますが、ソチで開催される次戦に向けて準備する時間はあまりありません。次のロシアGPも難しい週末になると思いますが、我々はいつもどおり困難に立ち向かう準備はできています」 中村聡 (ホンダR&Dチーフエンジニア)「昨日のテスト初日は、MGU-H周辺の問題によりあまり周回を重ねられませんでしたが、今日はスケジュールどおりにプログラムを消化できました。トータルで81周を走行し、昨日の遅れをほぼ取り戻すことができたと思います。先日のバーレーングランプリでMGU-Hの問題が発生して以降、短い時間ではありましたが懸命に分析を行い、今回のテストで一連の問題に対して、暫定的な対策を施しています。今日の走行で対策の方向性をある程度確認できたことは大きな収穫でしたし、今日はそれ以外にもセッティングの調整によりドライバビリティや振動の問題に進歩が見られました。バーレーングランプリの前から昼夜を問わずに作業を続け、今日の結果につなげてくれたチームスタッフ全員に、感謝をしたいと思います。パフォーマンス面で言えば、まだ目標としている部分にまで到達できていませんが、いま我々が向かっている方向は正しいと感じています。我々のPUにはまだポテンシャルがあると思っていますし、今回得られた貴重なデータを元に今後も改善を続け、できるだけ早くライバルにキャッチアップできるよう、努力を続けます。ロシアグランプリはもう10日後に迫っていますし、我々にとってはまた厳しい週末になることを予想しています。ただ、どのような状況でも前進することを目指し、マクラーレンとチーム一丸となり、努力を続けていきます。」
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