F1 第2回公式テストが、スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで開始した。今回が開幕前最後のテストとなり、先週と同様に4日間のテストが行われる。今日は厳しい初日となったが、最終的にはチームは収穫のある一日とすることができた。この日はストフェル・バンドーンが走行し、セッション開始の午前9時を迎えるとすぐにコースイン。空力の相関作業やタイヤのテスト、さらにはマシンバランスやハンドリングの調整など、さまざまなプログラムをこなしていった。
正午を迎えるころに、パワーユニットの電装系に異変を感知。ホンダは詳細を確認するため、パワーユニットの交換を決定した。チームは走行時間をできる限り多く確保すべく、素早い交換作業を行い、バンドーンは午後4時前には走行を再開した。午後のセッションでは走行距離を伸ばすことができ、空力テストや開幕戦の舞台となるメルボルンを想定したシミュレーションを実施。チェッカーフラッグが振られた午後6時までに、バンドーンは80周を走行した。ストフェル・バンドーン「今日は複雑な一日でした。パワーユニットに問題が起き、チームのみんなにはフラストレーションが溜まったと思いますが、チームはうまく問題を解決してくれて、午後はコースに戻れました。 走行時間を失うのは好ましいことではありませんが、コース上では多くのテストプログラムを消化しており、今日もマシンについての理解が深まりました。また、さまざまな空力やマシンバランスのセッティングを試すとともに、オーストラリアGPに向けて準備すべき手順の学習やマシンの挙動確認もできました。理想的なテストのスタートではなかったものの、起こった問題を考慮すると、悪くない数の周回を重ねられましたし、明日はさらに走行時間を確保して、メルボルンで前進するための有益なデータを収集できればと思います」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「走行時間を失ってしまったのはよくないことですが、そこまで心配はしていません。我々の目的はできるだけ多くのデータを集めることです。もちろん、走行距離が少なければマシンの理解や開発、パーツの確認を行う時間は減ってしまいますが、そもそも現代のF1はシミュレーションが基礎になっており、重要なのはファクトリーに戻ったときに走行データとシミュレーションの値が整合することなのです。走行時間は多いに越したことはありませんが、ここまでのデータを見る限り、予見していた結果といい整合が取れていることには満足しています。これからさらに進化し、限界性能まで近づいていくためにも、信頼性は重要です。パワーユニットの問題を調査しているホンダと緊密に連携し、信頼性向上に向けて懸命に取り組んでいきます。ホンダは我々のパートナーですから、彼らをサポートしていきますし、オーストラリアまでには問題を解決してくれると信じています。物事の表面だけ見れば、当然、新たな問題が起きるのはフラストレーションが溜まりますが、今日も多くの周回を走行することができています。わずか4時間弱でパワーユニットの交換を完了させ、有用なテストにしてくれた仲間たちを称えたいと思います。Test2の中で使用する予定の、第2スペックのパワーユニットでは問題が解決していることを期待しています。我々に出来ることはまだまだあるので、前進するのみ」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「午前のセッションでは、ストフェルがさまざまなテストプログラムをこなしてくれました。今日使用したパワーユニットは、先週と同じスペックのものですが、34周目を終えたところで、電装系に問題を検知しました。走行時間を最大限有効に使うためにも、パワーユニットを降ろして確認したほうがいいと判断し、交換を決定しました。午後にはコースへ戻ることができ、ストフェルはトータル80周を走行してくれました。またも厳しい一日になってしまいましたが、チームはマシンをコースへ戻すべく、懸命に作業をしてくれました。残り3日間ありますので、開幕戦に向けた準備のために、さらなるデータ収集に取り組んでいきます」