スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで第2回テストの3日目が行われ、フェルナンド・アロンソにとっては開幕前テストでの最後の走行となった。前日よりも気温が高かったものの、またしても風が強く、マシンのバランスやハンドリングに影響を及ぼした。信頼性の大きな問題は全くなく、チームは順調にプログラムを消化。前日のジェンソン・バトンによる121周に続き、この日のアロンソも118周を走行した。
午前中は燃料の少ない状態で走行し、空力部品の評価を実施。午後には燃料搭載量を増やし、レーススティントを想定したロングランもこなした。この中で、今季テストでは初めてスーパーソフトタイヤを装着した。終盤にはさまざまなセットアップや設定変更を試すとともに、フローヴィズペイント(空力状態を確認するための塗料)を用いた空力テストを行って一日を締めくくった。テスト最終日となる明日は、ジェンソン・バトンが担当し、予定していたプログラムをすべて完了する予定。フェルナンド・アロンソ「ここまでの信頼性についてはかなり満足している。冬の間、みんなが懸命に取り組んできて、この数週間で得られた手応えは非常にポジティブで、特にパワーユニットにそれが現れている。まだ準備の段階なので、さまざまな変化のあるこのウインターテストでパフォーマンスは読みきれないと思う。オーストラリアでは、全員が同時にスタートして同じコースを走り、燃料搭載量やタイヤなども同じ条件になるので、その答えが分かるのではないだろうか。まだやるべきことはたくさんありが、昨年よりもパフォーマンスの差は縮められていると思う。パワーユニットに関しては、まだいくつかの伸びしろがあり、開幕後の数戦でさらに進歩させられるはずだ。シャシーについても、新しい空力部品などテストが必要な項目がたくさんあり、デザインし直したマシン後部についてもしっかりと学んで理解し、ポテンシャルを最大限に引き出していかなければならない。このテストで走り込めたのは3日間だった。プレシーズンテストの終わりにはだれもが『まだまだテストしたい部分がある』と感じるものだし、今の僕も同じ心境だ。この2週間でやってきたことには満足しているが、最初の2〜3戦で走行時間がさらに得られるので、さらなる向上がみられるはずだ」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「昨日に引き続き100周以上を走行できたことに満足しています。昨年の同時期に比べて、すばらしい信頼性を発揮できているので、詳細の確認やシャシーとパワーユニットの調整に時間を割くことができています。今週から新たな空力パーツを持ち込み、今日はその評価に集中して取り組みました。また、今季から取り入れたサスペンションデザインについても、その挙動を確認してポテンシャルを引き出す作業を行いました。Hondaはパワーユニットについて多くの部分でかなりの向上をしてくれましたし、特にここまでの信頼性とデプロイメントについてはそれが顕著です。ただ、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、まだできることがあると考えています。今日は、今季テストで初めて、スーパーソフト、ウルトラソフトのタイヤコンパウンドを試し、レースシミュレーションを行ってデータを比較しました。これはメルボルンでの開幕戦に向けた最終的なセットアップを決める際に役立つでしょう。テストはあと1日しかありません。まだ時間が欲しいところですが、まずは開幕戦に向けての準備を整えるために、明日多くの仕事をこなさなければなりません」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「本日は、レースに向けたパワーユニットのデータ設定を熟成させ、一日順調に走行することができました。エンジンやERSなど、パワーユニットにまつわる問題は一切なく、基本的にはこの仕様設定で明日一日走行し、レース仕様の最終確認を行いたいと思います。明日は開幕前のテスト最終日ですが、オーストラリアGPに向けた準備を行い、サーキットで行えるすべての項目をしっかりと確認して終えたいと思います」関連:2016年 F1バルセロナテスト 3日目:キミ・ライコネンがトップタイム
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