ドイツの Auto Motor und Sport が、マクラーレンが使用するブレーキの熱の流れを利用してタイヤをコントロールする仕組みについて解説した。今年のピレリタイヤは、1~2℃がパフォーマンスに影響を与えるウィンドウの狭いコンパウンドとなっており、マクラーレンの仕組みは“独創的”なものだとドイツ人ジャーナリストのトビアス・グラナーは説明している。
マクラーレンのメカニックは、ピットでスクリュードライバーを用いてリアブレーキ・システムを調整。スクリューはドライバー・コックプット付近に位置している。F1テクニカルイラストレーターであるジョルジョ・ピオラの図面によると、調整によってリアブレーキ・システムが動き、タイヤへのブレーキ熱の流れをコントロールしている。だが、ルイス・ハミルトンがこのシステムの恩恵を受けているのに対し、ジェンソン・バトンは逆にタイヤに苦しんでいる。それは最近のFIAによるMP4-27のフロアの取り締まりと関係があるかもしれない。報じられたところによると、中国GP後、FIAは、マクラーレンが柔軟性に関する規約の解釈を超えていると判断したという。マクラーレンのフロントウイングの両端の下に傷が見つかったが、マクラーレンはフロアのたわみは許容誤差の範囲内だと主張していた。FIAは、マクラーレンのシステムが許容誤差を故意に利用したと判定し、チャリー・ホワイティングは「許容誤差は、製造の欠陥を考慮して設けられている」と伝えたという。Auto Motor und Sport は「一見マイナーな変更だが、マクラーレンにとっては大きな影響があった」と報じている。それ以降のハイノーズとリアサスペンション・ジオメオリーの改良を含めた技術的な変更は、表面上ルイス・ハミルトンにはうまく働いているが、ジェンソン・バトンは苦戦を強いられている。マクラーレンにとって、現在、ジェンソン・バトンのためにマシンをうまく機能させることが最優先事項となっている。「問題は非常に複雑だ」とテクニカルディレクターを務めるパディー・ロウは述べた。「我々のマシンは良いが、完璧にセットアップしなければならない」現在で、パフォーマンスのために全F1チームが捜し求めているものは、不可解なピレリタイヤだ。「我々の理解は30%だ」とパディ・ロウは認めた。
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