マルシャの救済に動いているのは、2016年にF1参入を予定しているハースの代表ジーン・ハースなのではないかと噂されている。NASCRチームの共同オーナーであり、2016年にF1参戦を表明しているハースは、債権者への支払いのために売却されたマルシャの機材を購入済みと言わされおり、すでに両者には繋がりがある。
また、アメリカのノースカロライナに本拠地を構えるハースは、ヨーロッパの拠点としてバンベリーにあるマルシャの本部を購入したとも言われている。Speed Week によると、2015年シーズンのスタートを前にマルシャに救済の手を差し伸べている謎の投資家が、ジーン・ハースかもしれないと報じている。チームの管財人であるFPRアドバイザリーは、21日(水)に予定されていたマルシャの2014年マシンや重要なレース機材を含むマルシャの資産のオークションが延期されたと19日(月)に発表している。 FPRアドバイザリーは、オークションを延期することによって「第三者との交渉を続けることが可能になる」と述べている。「進行中である交渉の秘密保持という性質上、これ以上の詳細を提供することはできない」 Speed Week によると、ハースがマルシャを手に入れることには複数のメリットがあるという。 まず、ハースはF1に残りたい経験豊富なスタッフを即座に確保できる。また、アブダビに輸送するための準備が整えられていたマルシャの2014年F1マシンをそのまま2015年の開幕戦オーストラリアGPが開催されるメルボルンへと送り込み、2015年シーズンを通じてグリッドの後方で貴重な経験を積むこともできる。さらに、ハースにとってメリットなのは、マルシャには確かに負債が残されているものの、チームが1カ月後に迫ったメルボルンのグリッドに着くことができれば、500万ドル(約5億9,000万円)を超える賞金を手に入れられるということだ。 また同誌は、マルシャが設計を進めていた2015年F1マシンの知的財産権をハースが取得したかもしれないとも伝えている。 さらには、フェラーリもこの契約に乗り気かもしれない。マルシャと提携していた彼らには実際に相当額の未払い金があるとされている。さらにフェラーリは、ハースとは大規模なサポート兼スポンサー契約を結んでいる。 マルシャのジョン・ブース代表は匿名の投資家との交渉が“かなり発展した”段階にあると述べている。