今後のF1世界選手権では、ヨーロッパラウンドの風物詩ともいえる豪華なモーターホームを見ることはできなくなるかもしれない。2020年のF1世界選手権は、新型コロナウイルスの世界的な大流行によって開幕から10戦が延期・中止となり、7月5日のオーストリアGPでの開幕にむけて様々な準備を進めている。
だが、ヨーロッパ諸国はロックダウンは緩和しつつあるものの、依然として大規模イベントは禁止となっており、7月~9月に開催を目指しているヨーロッパでのグランプリはすべて無観客で行われ、メディアの数も規制されることが予想されている。その場合、VIPをもてなすホスピタリティ施設は必然的に不要となる。F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、F1チームは通常のモーターホーム施設を持ち込まず、人々がパドックの周りを移動する方法に対して厳格な制限を設け、スタッフをできるだけ混ぜないようにすることを明らかにした。「パドック内での人々の移動方法には制限がある。我々はソーシャルディスタンスにスタッフを置くことはできないため、事実上、小さな隔離環境をそれ自体の内部に作成する必要がある」とロス・ブラウンはコメント。「F1チームは彼ら自身のグループ内にとどまる。彼らは他のチームと混じることはなく、彼ら自身のホテルに滞在する。そこにモーターホームはない」だが、新型コロナウイルス対策だけでなく、コスト削減策、そして、F1が推進するカーボンニュートラル計画により、これを機に今後モーターホームが登場することはないかもしれない。ロス・ブラウンは、列車で旅行し、貨物を海上輸送することで、モーターホームは不要になると述べていた。「我々は輸送と使用しているあらゆる機器を検討している」とロス・ブラウンはコメント。「現在、我々あらゆる代替輸送手段を検討している。実際、列車は物を移動させるには非常に効率的な方法だ。海上貨物もその影響という観点から物を移動させるのに非常に効率的な方法だ。そのため、すべてのロジスティクスを調査し、影響を最小限に抑える方法を検討している」「モーターホームがあります。我々全員がグランプリに参加し、年間9レースに渡って、モーターホームが大規模なトラックの群れで運ばれ、チームが必要とする必要な設備を提供している」「他の15レースについては、木曜日に向かう際に彼らはそこにあるものを使用することに満足している。我々は海外のレースに行く。例えば、バクーに行くと、すべてのプレハブが用意されている。誰も文句を言っていないし、すべてが実行可能だ」「それから私たちはモンツァに行き、それらを輸送するために必要なすべてのトラックを備えた“ジンパレス”を持っている。そのため、将来的には、我慢できる範囲で現在よりも物流と輸送の面ではるかに影響の少ないモーターホームやホスピタリティ施設に移行したいと考えている」
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