2025年シーズン序盤にレッドブル・レーシングからわずか2戦で降格となったリアム・ローソンが、その経緯について初めて詳細に語り、自身のメンタル面を守るための措置だったという見方を強く否定した。ローソンはポッドキャスト番組『High Performance』に出演し、当時の状況について「実際に起きたこととはまったく違う話が広まった」と主張。特に中国GPで行われたマシンセットアップの大幅な変更が、自身の評価を下げる材料として使われたことに不満を示した。
準備不足のまま迎えたレッドブル昇格ローソンは2025年開幕時にセルジオ・ペレスの後任としてレッドブルへ昇格したが、その挑戦はオーストラリアGPと中国GPの2戦で終わった。ローソンは当時を振り返り、「できる限り気にしないようにしたし、起きなかったことのように振る舞った。あまりにも異常な出来事だったので、自分でもレッドブルに在籍していたことを忘れようとしていた」と語った。一方で、自身にも改善できた点があったことは認めている。「もちろんもっと良い仕事はできたと思う。でも問題は準備不足だった。開幕前テストでは半日しか走れず、バーレーンでもトラブルで十分な走行ができなかった」「開幕戦の時点で非常に準備不足だった。去年はコンマ3秒遅れただけでQ1敗退になるほど接戦だった」さらにオーストラリアGPではエンジントラブルによりFP3を走行できず、予選前に予定していたソフトタイヤでの走行プログラムも消化できなかったという。「予選前にソフトタイヤをまったく使えなかった。その状態で無理をして取り返そうとしてミスを犯した。普段ならしないようなロックアップやコースオフだった」中国GPでの大胆な実験続く中国GPはスプリントフォーマットで行われ、ローソンにとっては初めて走るサーキットだった。当時のレッドブルRB21はマックス・フェルスタッペンを含めてチーム全体が扱いづらさを訴えており、大胆なセットアップ変更が検討されていた。「チームも僕もマシンに満足していなかった。マックスも不満を抱えていたし、全員が『これは機能していない。何か根本的なことを試さなければならない』と考えていた」土曜日の夜に開かれた会議で、ピットレーンスタートを前提に通常では考えられないほど大規模なセットアップ変更を実施することが決定された。「普通のレースウイークでは絶対にやらないような変更だった。通常の変更量の10倍と言ってもいい」「目的は僕のためでもあり、チームの将来のためでもあった。より運転しやすい方向性を見つけるための試みだった」しかし、この実験は失敗に終わる。「実際に走らせてみたら最悪だった。マシンは非常に運転しづらくなり、タイヤを壊してしまった」フロントタイヤの摩耗が激しく、レースペースも大きく低下したという。『その結果が僕への評価に使われた』ローソンは中国GP終了後、自身が日本GPからレーシングブルズへ戻されることを知らされた。そして最も納得できなかったのは、中国GPでの実験的なレース結果が降格判断の材料になったことだった。「その中国でのパフォーマンスが僕への評価に使われた」「たった2戦だ。しかもどちらも初めて走るサーキットだった。そんな状況で判断されるのは受け入れられない」「F1はチームスポーツだ。すべてをドライバー一人だけで判断できるものではない」メンタル保護説を完全否定当時のパドックでは、レッドブル首脳陣がプレッシャーからローソンを守るために降格を決断したとの見方も広がっていた。しかしローソンは、その説明は事実と大きく異なると断言した。「僕が精神的に苦しんでいたとか、チームが僕を守るために動いたとか、そういう話になっていた」「でも実際はそんなものとはまったく違った」ローソンは今回の発言で、自身の降格がメンタル面への配慮ではなく、準備不足の状況やチーム主導の実験的セットアップが招いた結果だったとの認識を明確に示した。現在はレッドブル・レーシングの正ドライバーとして復帰しており、当時の評価に対して改めて異議を唱える形となった。
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