FIAが2026年F1日本GPに向けて実施した予選ルール変更は、期待された効果を発揮しなかった可能性が高い。リアム・ローソンは「違いを感じなかった」と語り、現行F1の予選が抱える構造的な問題を示唆した。今回の変更では、予選時に使用可能なエネルギー量が9MJから8MJへ削減された。リフト&コーストやスーパークリッピングを抑え、よりフルプッシュに近いアタックを可能にする狙いだったが、鈴鹿ではその理想とは異なる現実が浮き彫りとなった。
FIAの調整でも変わらなかった予選の実態鈴鹿では特に130R進入でスーパークリッピングが目立ち、ドライバーは依然としてエネルギーマネジメントを強いられた。FIAが目指した「全開で攻める予選」は実現せず、ラップの質を左右するのは依然としてバッテリーの使い方だった。ローソンは今回の変更について、次のように語っている。「現状ではすべてのサーキットが本当に大きく異なっているから、判断は難しい」「僕は以前の設定で走ったことがないので比較はできない。でも、違いは感じなかった」なぜスーパーフォーミュラは“全開で走れる”のか今回の日本GPでは、スーパーフォーミュラとの比較も多く語られた。パワーではF1に及ばないものの、コーナリングスピードの高さとドライビングの自由度が際立つカテゴリーとして知られている。ローソンも鈴鹿におけるスーパーフォーミュラについて高く評価している。「このコースでのマシンは特別だ。とても楽しいクルマだし、F1と比べるとパワーは低いけど、コーナースピードは非常に高い」「僕が最後にスーパーフォーミュラを走ったのもこのトラックだったけど、本当に楽しかった。やっぱり素晴らしいサーキットだ」F1が“全開で走れない”構造的な課題今回のルール変更が示したのは、単純な数値調整では解決できない問題の存在だ。エネルギー使用量の制限は維持されたままであり、結果としてドライバーは依然としてバッテリー残量を意識した走行を余儀なくされている。その結果、スーパークリッピングは解消されず、予選においても「どこで使い、どこで抑えるか」というマネジメントが主導する構図が続いている。ローソンの「違いを感じなかった」という言葉は、この構造そのものに変化がなかったことを示している。FIAは今月予定されている会合でさらなる対策を議論する見通しだが、今回の結果は、現行レギュレーションの根本に踏み込まなければ問題は解決しない可能性を示している。予選のあり方そのものが、改めて問われている。RacingNews365