レーシングブルズ代表アラン・パーメインは、2026年のドライバーラインナップ発表が遅れている理由を明かした。リアム・ローソンは2025年シーズン残り3戦となった現時点でも、来季のF1シートが決まっていない。レッドブルが支配する4つのシートのうち、現在2026年に向けて公式に確定しているのはマックス・フェルスタッペンのみで、レーシングブルズ所属のアイザック・ハジャーはレッドブル昇格が広く見込まれている。
そのため、残る2つのレーシングブルズの座には、リアム・ローソン、現在レッドブルに所属する角田裕毅、そしてF2のプロテジェであるアービッド・リンドブラッドが候補となっている。チームは現在コンストラクターズ6位で、アストンマーティンに10ポイント、ハースF1チームに12ポイント差の接戦を繰り広げている。「新レギュレーションは関係ない」──発表遅延の理由とはパーメインは、メディア(RacingNews365を含む)から「2026年の新レギュレーションが判断を遅らせているのか」と問われた際、その可能性を否定した。「いや、まったく関係ない。新レギュレーションとは無関係だ。我々自身、(コンストラクターズ6位の)非常にタイトな戦いの中にいるし、レッドブルもコンストラクターズ選手権2位争いの真っ只中にいる」「我々としては、ただ“安定性”が欲しいだけだ。そのため、発表はシーズン終了ぎりぎりまで長引く可能性がある。アブダビの翌・月曜朝まで分からないかもしれない。正確なタイミングは分からないが、その理由だ。来年のルールとは何の関係もない」経験値は重要か? パーメイン「もちろん重要だ」さらに、2026年の大幅な規則変更を踏まえ「経験値が重要になるか」と質問されたパーメインは、次のように語った。「いつだって“経験豊富なドライバー”は欲しい。ジェームス(ジェームス・ボウルズとウィリアムズ)のところを見れば分かるように、彼らの2人の非常に経験豊富なドライバーは、ほぼ毎週末しっかりと結果を出している」「もちろん、これは我々のドライバーたちを否定するものではないが、経験は常に価値を持つ。とはいえ、もちろんペースには何も勝てない。ペースがあることが最優先だ。来年に向けても、それは間違いなく役立つだろう」「一方で、全員が完全な“白紙状態”から始めるとも言える。誰もこのレギュレーションを経験していない。シミュレーター作業は膨大な量になるだろうし、実際すでに進行中だ。シーズン終了後にはさらに増える。そう、経験は確かに重要だ」レーシングブルズの状況が示す“3人のサバイバル”の行方レーシングブルズの状況は極めてシンプルだが残酷だ。■ レッドブル本体:フェルスタッペン+ハジャー(濃厚)■ レーシングブルズ:ローソン/角田裕毅/リンドブラッドの3人で2枠を争う構図パーメインのコメントを整理すると、・新レギュレーションは決定遅延の理由ではない・決定はアブダビ最終戦の直後まで引っ張る可能性・経験値は有利だが、それ以上に“ペース”が絶対条件・2026年は全員が白紙スタートとなるため、若手不利とは限らないつまり、現時点で誰が有利とも断言できず、3人のシーズン残り3戦の結果がそのまま2026年の命運を左右することになる。特にリアム・ローソンは「来年走れるのかどうか分からない状態」のまま最終盤を迎えており、プレッシャーは大きい。一方で角田裕毅はレッドブル側の複雑な政治事情に巻き込まれており、リンドブラッドは昇格への“タイミングの妙”がカギとなる。最終判断は、パーメインの言葉どおり「アブダビ翌朝」に下される可能性が高い。