レッドブル傘下のレーシングブルズに所属するリアム・ローソンが、ダニエル・リカルドとの関係について口を開き、困難な時期を支えてくれたベテランの人間性を称えた。ローソンは2024年オランダGPでリカルドが手首を骨折した際に代役を務め、5戦連続の出走で鮮烈な印象を残した。その後正式にリカルドの後任としてシートを引き継いだが、この状況は若手にとって決して「居心地の良いもの」ではなかったという。
「僕たちにとって、あの状況は本当に居心地が悪かった」とローソンはMotorsport Weekを含むメディアに語った。「でも、その中でダニエルが僕にどう接してくれたかを通じて、彼がどれだけ素晴らしい人間なのかを改めて感じた。彼がケガをしたときから、僕がリザーブに戻るまで、ずっとサポートしてくれたんだ」不自然な交代劇の裏でも、リカルドのプロ意識はローソンに深い印象を残したという。「僕たちはとても良い関係を築いていたし、正直なところ今もそうだ」とローソンは続けた。「去年のあの週末から、彼に対してどれだけの尊敬の念を抱いているかを実感した」ふたりの間には今も相互のリスペクトが続いている。ローソンは、バクーでの好成績のあと、リカルドから励ましのメッセージが届いたことを明かした。「バクーのあと、彼から“いい走りだった”ってメッセージをもらった。彼はいま別の道を進んでいるけど、ずっと僕を支えてくれている存在だ」リアム・ローソンはF1アゼルバイジャングランプリで自己ベストの予選3番手を獲得し、そのまま決勝でも自己最高位を記録した。南半球出身という共通点ローソンはまた、ふたりの背景にも共通点があると語る。オーストラリア出身のリカルドと同じく、ニュージーランド出身の自分も南半球で育ったことで、F1にたどり着くまでの苦労を共有しているという。「僕たちは同じ地域の出身で、そこも理解し合える部分だと思う。ここまで来るのは本当に大変なことだし、僕たちはとても幸運だ」シート未定の中での冷静な視線リカルドへの賛辞の一方で、ローソンは自身の将来についても言及した。2025年シーズン残り6戦の時点で来季の契約は未定のままだ。「成功やいい結果を楽しむ瞬間もあるけど、その気持ちはすぐに次のレースへ切り替わる」とローソンは語る。「バクーでの結果は素晴らしかったし、チームのためにも嬉しかった。でも数時間後にはもう次のレースのことを考えていた」「僕のように来年のシートを勝ち取りたい立場では、どうしても先のことを考えながら結果を積み重ねる意識が強くなるんだ」ローソンとリカルドの関係が示す“新旧のバトン”リカルドの温かいサポートとローソンの真摯な姿勢は、レッドブル内の世代交代を象徴している。単なるシート争いではなく、モータースポーツを通じて育まれるリスペクトと人間的なつながりが、両者の間に確かに存在していることを印象づける内容だ。Source: Motorsport Week