前戦オーストリアGPでF1キャリア最高位となる6位を記録したリアム・ローソンだが、イギリスGPではその勢いを維持できなかった。レーシングブルズのローソンは、スタート直後のアクシデントで早々にリタイアを喫し、厳しい週末となった。ローソンは16番グリッドから好スタートを切ったが、ウェットコンディションのなかで迎えた1周目のターン5で多重接触に巻き込まれた。
角田裕毅(レッドブル)がイン側にいた状況で、エステバン・オコン(ハース)がスペースを失い、ローソンのマシンと接触。これによりローソンは高速スピンを喫し、リアサスペンションが破損。レース続行は不可能となった。レース後、ローソンは悔しさを滲ませながら状況を振り返った。「映像をまだ見てないから、正直何が起きたのかよく分かっていない」とローソンはコメント。「ターン3と4は並走していたけど、ターン5ではスペースを空けようとした。そしたら突然大きな衝撃があって、その先は分からない」「本当に残念だ。今日のマシンはすごく良かったと思うし、こういうレースでは何が起きるか分からないだけに、チャンスを逃してしまった」また、チームの判断や週末の仕上がりに手応えがあっただけに、失望はより大きいという。「タイヤ戦略は正しかったし、スタートもすごく良かった。マシンのポテンシャルを見せられなかったのが本当に悔しい」「特にこういうミックスコンディションでは、僕らのマシンに合っていたと思う。大きなポイントを狙えたはずだったからこそ、余計に残念だ」レーシングブルズのチーム代表ローラン・メキースも、ローソンとアイザック・ハジャーがいずれも接触によりリタイアしたことを受け、苦しい一日だったと語った。「何よりまず、リアムもアイザックも無事だったのが重要だ。2台ともクラッシュで失う日というのは常に辛いが、仕方ない。今日はそういう日だった」「ただ、我々には速いマシンがあり、優れたドライバーがいる。そして今週末も速さはあった」ハジャーは18周目、セーフティカー明けのリスタートでキミ・アントネッリ(メルセデス)との接触によりクラッシュし、リタイアとなった。これにより、レーシングブルズは今季初のダブルDNFを記録した。「今回はポイントを持ち帰れなかったが、週末を通して足を引っ張ったいくつかの要因をしっかり分析し、改善していく」「次戦スパに向けて体制を立て直し、確実に速さを活かしていけるよう準備を進める」「結果としては残念なレースだったが、ファエンツァとミルトンキーンズの両拠点での努力とチームスピリットは非常に高い。次のステップへ進むために全員が懸命に働いていることに感謝したい」