日産は、時速300km以上のスピードを誇る世界最速の電力駆動レーシングカーである「Nissan ZEOD RC」を公開した。「Nissan ZEOD RC (Zero Emission On Demand Racing Car)」は、2014年のル・マン24時間でレースデビューを果たす。将来的なLMP1クラス参戦に向けて検討していくプログラムの一環として、日産は新しいレース用電動パワートレイン技術のテストを開始する。
「Nissan ZEOD RC」は、革新的で新しい技術を紹介する車両のための「ガレージ56」枠で、2014年のル・マン24時間に出場する。日産/ニスモが運営する「Nissan ZEOD RC」の開発チームは、新たに日産のダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションに就任したベン・ボウルビーが指揮。ボウルビーは2012年のNissanデルタウィング・プログラムを率いていた。「Nissan ZEOD RC」は来年のル・マン24時間レースに参戦する予定だが、日産は21日(金)、ル・マン24時間レースが開催されるサルテサーキットのパブリックスペースに本車両を展示。今後も世界中のファンに向け、YouTubeで視聴可能な「NISMO TVチャンネル」を通じて継続的に情報提供を行っていく。日産の副社長のアンディ パーマーは「日産は、ゼロエミッション・モビリティのグローバルリーダーです。世界で最も歴史があり、最もタフで、最も有名な耐久レースにおいて、日産がこれまでバッテリー技術の開発で培ったことを皆さんにお見せできる機会を心待ちにしています。また、「ガレージ56」枠での出場は、日産が将来的にル・マン24時間レースのLMP1クラスに復帰を目指す上で、日産の技術力を今後どのように活用できるのかということを評価するための、貴重な技術開発の機会となります。日産は、非常に多くのデータを得ることができるでしょう。」と述べた。「Nissan ZEOD RC」の設計者であるベン・ボウルビーは、このクルマの開発が将来のレースカーの「電気化」における重要な一歩となると確信している。「日産はこれまで電気自動車の技術開発において学んできたことを、新しいレーシングカーの開発に生かしたいと考えています。『Nissan ZEOD RC』開発チームは、パッケージングと空力性能の開発にも注力してきました。これらは極めて高い走行性能を実現するだけでなく、高いエネルギー効率をも実現します。」とボウルビーは語った。日産は、「Nissan ZEOD RC」用のタイヤを製作するため、フランスのタイヤメーカーのミシュランとパートナーシップを結ぶ予定。フランスのクレルモン・フェランに本社を置くミシュランは、15年連続でル・マン24時間レースにおいてミシュラン装着車が優勝するという素晴らしい結果を残している。「Nissan ZEOD RC」は、今年の夏の終わりにテスト走行を始める予定。2013年ル・マン24時間レースでは、LMP2クラス出場の22台中15台が日産のエンジン搭載車であり、今年も優勝を目指している。2013年FIA世界耐久選手権では、第1、2戦のシルバーストン、スパ・フランコルシャンにおいて日産エンジン搭載車が上位を独占している。