2026年のル・マン24時間レースには、かつてF1を戦った16人のドライバーが参戦する。第94回大会はサルト・サーキットで開催され、62台・186人のドライバーが伝統の耐久レースに挑む。その中には、小林可夢偉、ロバート・クビサ、ケビン・マグヌッセン、アントニオ・ジョビナッツィら、F1で存在感を示した名前が並ぶ。F1でのキャリアを終えた後も、彼らはプロトタイプやGTマシンでトップレベルの戦いを続けている。
小林可夢偉はトヨタ7号車で出場小林可夢偉はトヨタGR010ハイブリッドの7号車から参戦する。F1では2009年から2014年にかけてトヨタ、BMWザウバー、ケータハムで通算75戦に出場し、2012年の日本GPでは母国ファンの前で3位表彰台を獲得した。F1後はトヨタとともにWECへ活動の軸を移し、2021年のル・マン24時間で総合優勝を果たした。これまでル・マンでは5度の総合2位も経験しており、耐久レースでの実績は現役トップクラスにある。トヨタ勢にはデ・フリース、ブエミ、ハートレーも7号車にはニック・デ・フリースも加わる。2022年イタリアGPでウィリアムズからF1デビューし9位入賞を果たしたが、2023年のアルファタウリでは10戦でシートを失った。現在はトヨタの一員として耐久レースに活路を見いだしている。8号車にはセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーが乗る。ブエミはトロロッソで55戦に出場した後、トヨタでル・マン4勝とWECタイトル4回を獲得。ハートレーもトロロッソでF1を経験し、ポルシェとトヨタでル・マン通算3勝を挙げている。キャデラックとBMWにもF1経験者キャデラック陣営では、ウィル・スティーブンス、セバスチャン・ブルデー、ジャック・エイトケンが出場する。スティーブンスはケータハムとマノーでF1を戦った後、WECで実績を積み、ル・マンではGTEとLMP2でクラス優勝を経験している。ブルデーはチャンプカー4連覇の実績を持ってF1に参戦したが、トロロッソでのF1キャリアは1年半にとどまった。一方でスポーツカーではプジョー時代からル・マンで表彰台を重ね、現在はキャデラックの一員として戦っている。エイトケンは2020年サヒールGPでウィリアムズからF1に出場し、現在はキャデラックでIMSAのGTPランキングをリードしている。BMWの15号車にはケビン・マグヌッセンが乗る。F1ではマクラーレン、ルノー、ハースで185戦に出場し、2014年オーストラリアGPでデビュー戦表彰台を獲得した。2024年限りでF1を離れ、BMWのハイパーカープロジェクトに加わった。フェラーリ勢はジョビナッツィとクビサフェラーリ499Pの51号車にはアントニオ・ジョビナッツィが参戦する。F1ではアルファロメオで3シーズンを過ごし、最高位は5位。F1後はフェラーリの耐久プログラムに加わり、2023年にはフェラーリのル・マン総合優勝に貢献した。AFコルセ83号車にはロバート・クビサが乗る。BMWザウバー時代の2008年カナダGPでF1初優勝を果たし、将来を嘱望されたが、2011年のラリー事故でキャリアが大きく変わった。それでも2019年にウィリアムズでF1復帰を果たし、その後フェラーリのハイパーカープログラムに加わった。プジョーとLMP2にも多彩な顔ぶれプジョー93号車にはポール・ディ・レスタとストフェル・バンドーンが参戦する。ディ・レスタはフォース・インディアで安定したポイント獲得を見せ、2017年ハンガリーGPではウィリアムズから代役出場した。バンドーンはマクラーレンで2シーズンを戦った後、スポーツカーとフォーミュラEでキャリアを広げている。LMP2では、ジャック・ドゥーハンがニールセン・レーシング24号車からル・マン初出場を果たす。アルピーヌでのF1キャリアはわずか7戦で終わったが、耐久レースで新たな道を歩み始めた。ピエトロ・フィッティパルディはベクター・スポーツ26号車から出場し、ル・マン4度目の挑戦となる。サージェントはLMGT3でル・マン初挑戦ローガン・サージェントはプロトンのフォード・マスタングLMGT3、88号車でル・マンに初出場する。ウィリアムズでのF1キャリアは2年未満で終わり、入賞は母国アメリカでの1度にとどまった。F1での結果だけを見れば、16人のキャリアはそれぞれ異なる。しかし、ル・マンでは過去のF1実績だけでなく、耐久レースへの適応力、チームワーク、夜間走行、トラフィック処理が問われる。F1を離れた後も世界最高峰の舞台で戦い続ける彼らの存在は、2026年大会の大きな見どころのひとつとなる。
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