F1ラスベガスGPのフリー走行2回目は、FP1の中止を余儀なくされたマンホールカバーの問題を受けて開始が延期された。まだ正確な開始時刻は発表されていない。FP2セッションは現地時間の午前0時に開始される予定だったが、その1時間前にFIAの計時システムページに2回目のプラクティスの延期を告げるメッセージが表示された。
FP1でフェラーリのカルロス・サインツとアルピーヌのエステバン・オコンがマンホールの蓋が緩み、そのコンクリートがトップスピードで通過するF1マシンのストレスで破損したことが原因で深刻なダメージを負った事故以来、FIAは3.9マイルのトラック周辺にある残りのマンホールを緊急点検している。検査が必要なマンホールは約140カ所にのぼるという。FP1が中止されてから1時間強後、F1とラスベガスGPオーガナイザーの共同声明には「レーススケジュールに関する最新情報をできるだけ早く提供する」との一文が含まれていたが、それ以降発表された公式情報はFP2への遅れを知らせるタイミング画面の更新のみとなっている。ラスベガスの巨大なパドックでは、現地時間午後11時に事態の進展と金曜残りの走行への影響に関する発表が行われるとの噂が飛び交っていたが、結局、発表されることはなかった。また、FP2が予定よりも遅れて開始され、場合によっては長引く可能性もあるとの憶測も流れていたが、これは未確認のままだ。フェラーリのチーム代表であるフレッド・バスールがFP1セッション終了後のチームプリンシパル会見で、この事故によってサインツのマシンの「モノコック、エンジン(、バッテリー)が完全に損傷した」と明かしたことから、チームは他のマンホールカバーの状態を大いに気にしていることだろう。また、ラスベガスのトラックで41年ぶりにF1マシンが走るのを期待していたファンへの影響も避けられない。 FP1が最初に中止されたとき、巨大な『スフィア』エンターテインメント会場の外のコーナーでは唖然としたような静寂が広がっていた。サインツがダメージを負ってトラック上でストップしたため赤旗が提示されたが、サーキットのコメンテーターはセッションがキャンセルされた理由を観客に伝えることができなかった。その後、一部のファンが会場を後にしたとの報告もある。