ジャック・ヴィルヌーヴは、ランド・ノリスが2025年F1ドライバーズチャンピオンに輝いた最大の要因として、シーズン途中に見せた「姿勢の変化」を挙げた。ヴィルヌーヴは、マクラーレンのノリスがマックス・フェルスタッペンをわずか2ポイント差で下し、71勝を挙げてきた王者を引きずり下ろしたことについて言及し、ノリスが「自分を責め続ける」姿勢をやめたことが転機になったと語っている。
夏休み明け最初の一戦となったオランダGPでリタイアした時点で、26歳のノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリに34ポイント差をつけられていた。しかし、その後の最終9戦で驚異的な巻き返しを見せ、この期間だけでピアストリを47ポイント上回った。この追い上げが選手権争いの行方を大きく左右した。終盤戦ではフェルスタッペンがノリスとピアストリをそれぞれ68ポイント、115ポイント上回る成績を残していたにもかかわらず、新王者となったノリスが十分にパフォーマンスを引き上げたことで、タイトルを守り切る形となった。ヴィルヌーヴは、シーズン終盤のノリスの走りを高く評価しつつも、そのレベルを年間を通して維持する必要性を強調した。「彼はF1にかなり長く参戦しているから、経験があるし、スキルも磨いてきた。そしてシーズン終盤には、昨シーズン終盤と同じような走りをしていた。それが彼の非常に高いレベルだ」「彼が取り組むべきなのは、それを24レースすべてで維持することだ」マクラーレン内部でのタイトル争いにおいて、シーズン前半はピアストリのほうがミスが少なく、より冷静で、ノリスのミスが積み重なっていく中で主導権を握っていた。ノリスはこれまでも、メディア対応において自分の欠点を率直に語りすぎる点が批判されてきた。自己批判が過剰であることは弱点と見なされ、メンタル面の問題の表れだと捉えられることも多かった。しかしヴィルヌーヴは、シーズンが進むにつれてノリスに変化が見られたと指摘し、それこそがタイトル争いでの巻き返しを生んだ要因だと語った。「だが、シーズン中に彼が大きく変わったのも我々は見てきた」「シーズン序盤、彼は常に自分を強く責めていた。それが後半には止まった。姿勢の変化も見られた」「彼は物事に対して謝るのをやめ、本当にやるべきことに集中するようになった。チャンピオンシップの首位にいなくなり、状況が後退し、そして戦いがマックスとの直接対決になった時にだ」この変化こそが、ランド・ノリスを2025年F1ワールドチャンピオンへと導いた決定的な転換点だったと、1997年王者は結論づけている。