2018年のウィリアムズのリザーブドライバーに就任したロバート・クビサだが、最終的な目標はあくまでF1でレースに復帰することだとかたる。2011年のラリー事故で右腕を切断寸前の重傷を負ったことでF1から遠ざかっていたロバート・クビサだが、昨年、ルノーとのプライベートテストで6年ぶりにF1マシンをドライブ。ハンガリーで行われたインシーズンテストではルノーの最新F1マシンを走らせて、201年のルノーのドライバー候補に挙げられていた。
しかし、ルノーは、マクラーレンとトロ・ロッソが絡んだ複雑な交渉のなかで、以前より獲得を望んでいたカルロス・サインツをローン移籍で獲得したことでルノーでのF1復帰の可能性は消滅。その後、ウィリアムズのシート獲得にターゲットを切り替え、マネジメントチームにウィリアムズと関連のあるニコ・ロズベルグを起用。プライベートテストでウィリアムズの2014年F1マシンを走らせ、アブダビテストでは現行マシンを走らせるなど、ウィリアムズの2018年のドライバー候補の最有力に躍り出た。しかし、ロバート・クビサとともにアブダビテストに参加したセルゲイ・シロトキンが優れたパフォーマンスを見せ、さらにシロトキンがロシアのSMPグループの後ろ盾で巨額のスポンサーマネーを持ち込んだことで形勢は逆転。最終的にウィリアムズはセルゲイ・シロトキンをレースドライバーに起用することを決定。ロバート・クビサは2018年のリザーブ兼開発ドライバーの役割を受け入れることになった。ロバート・クビサは、2018年にプレシーズンテストとインシーズンテストに参加するほか、金曜フリー走行でもウィリアムズのマシンを走らせることになっている。契約発表前には、ロバート・クビサは“開幕7戦で8億円”というオファーを提示したとされ、セルゲイ・シロトキンがパフォーマンスを発揮できない、もしくはロシアからの資金が滞った場合には、シーズン途中の可能性も残されている。ロバート・クビサ自身も、今回のウィリアムズのリザーブドライバー就任は、F1レース復帰という最終目標のための重要な一方だと語る。「今シーズン、公式リザーブ兼開発ドライバーとしてウィリアムズに加入することを本当に嬉しく思っている。フィジカル的にはこれまででベストだと感じているけど、今の位置にたどり着くためには多くの作業が必要だったし、これまで僕にチャンスを与え、この任命によって僕を信頼してくれたウィリアムズに感謝したい」とロバート・クビサはコメント。「ここ数カ月、F1バドックに戻ってくることができて楽しかったし、今はFW41の開発をプッシュして、2018年の彼らのシーズンにリアルな違いを生み出せるようにファクトリーとトラックの両方でウィリアムズのテクニカルチームと一緒に仕事をすることを楽しみにしている」「FW36とFW40の両方を運転したことで、FW41がコース上でどうかを測定して、クルマのパフォーマンスを最大限に引き出せるようににチームと仕事をしていくことを楽しみにしている。僕の究極の目標は再びF1でレースをすることに変わりはないし、これはその方向にむかた重要な一方だ。スタートするのが待ち切れない」2018年にウィリアムズは、ランス・ストロールとセルゲイ・シロトキンというグリッドで最も経験の少ないドライバーラインナップで戦うことになるが、チーフ・テクニカル・オフィサーを務めるパディ・ロウは、ロバート・クビサが二人を支えてくれることを期待していると語る。「まず最初にロバートがここまで成し遂げてきたことを称賛したい。怪我を克服し、フィットネスを取り戻し、再びF1カーをドライブすることは驚くべき偉業であり、可能であると考えたものはほとんどいなかっただろう」とパディ・ロウはコメント。「ロバートは、トラックテスト、シミュレーター作業、そして、全てのレースでレースドライバーとエンジニアのサポートにおいて、彼の豊富な経験を生かして、チームに強力な技術的貢献をしてくれると期待している。彼は私が長年感心して眺めてきたレースドライバーであり、2018年のチャンピオンシップにむけて彼と一緒に仕事ができることを個人的にもとても嬉しく思う」 また、ロバート・クビサではなく、セルゲイ・シロトキンを起用した理由については「我々は厳格で徹底したドライバー評価プロセスを実施してきた。最終的に、セルゲイは、ファクトリーとアブダビでのトラックサイドの両方で、彼のドライビングペース、才能、テクニカルフィードバック、仕事倫理においてチームに感銘を与えた」と説明。「来シーズン、彼がランスとパートナーとしてチームに加わることを嬉しく思う。ランスはルーキーイヤーにおける目覚しい業績の後、我々との2シーズン目を迎える。我々には2018年にむけてエキサイティングなラインナップがおり、FW41のポテンシャルを最大限に引き出す助けになると思っている」ウィリアムズの副チーム代表を務めるクレア・ウィリアムズも「ウィリアムズの哲学は常に若い才能を促進し、発展させることでしたし、セルゲイはその精神にまさしく適合しています」とセルゲイ・シロトキンを起用した理由を説明した。33歳のロバート・クビサは、F1で76戦に出走。BMWザウバー時代の2008年にF1バーレーンGPでポールポジション、F1カナダGPで優勝を成し遂げている。
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