桜井孝太郎が、AUTO GP World Seriesの2012年最終戦ソノマに名門ユーロノバ・レーシングから参戦することが決定した。日本人ドライバーのAUTO GP参戦は初となる。今年ステイタスGPからGP3に参戦した桜井孝太郎だが、シーズン途中に資金問題によりシートを失った。2010年からスタートした「AUTO GP World Series」はWTCC世界ツーリングカー選手権と併催されるイベントでヨーロッパ大陸、アフリカ大陸、そしてアメリカ大陸の世界3大大陸を転戦し、7イベント全14戦で争われる。
ローラ製シャシーに約550馬力を発生するザイテック製3400ccV型8気筒自然吸気エンジンを搭載したビッグマシンで戦われる。今シーズン戦ってきたGP3は280馬力のマシンであるが、今回参戦するAUTO GPワールドシリーズのマシンはその約2倍の550馬力ものパワーを発生する。同シリーズの初代チャンピオンは現在ロータスF1チームで活躍するロマン・グロージャン。また今回の最終戦には、元F1ドライバーのアントニオ・ピッツオニアを筆頭にGP2やインディカーで好成績を収めた選手が多数参戦する。今回、桜井孝太郎が契約した「ユーロノバ・レーシングチーム」は往年の名ドライバー、ビンチェンゾ・ソスピリが2002年に設立したチーム。若手ドライバー育成には定評があり、過去にはロバート・クビサ、ヴィタリー・ペトロフ、ジェローム・ダンブロジオ、ルカ・フィリッピといったドライバーをF1まで引き上げた実績を持つ名コーチでもあります。桜井孝太郎が参戦する「AUTO GP World Series」最終戦は、今週末の9月21日〜23日にアメリカ合衆国ソノマ・サーキットにて開催される。桜井孝太郎「もう気がつけばF1の目の前のカテゴリーにまで来てしまったんですね?(笑)僕以上に周りの皆さんがビックリされている事だと思います。でもこれは今年、いや、人生最高のチャンスだと思います。今週末からはもう敵がF1ドライバーになるわけですから、そうとう面白い戦いになると思います。だから自分の走りに100パーセント集中して、今の自分を全て出し切って来年のために最高のスタートを切ろうと思います。皆さんも知っての通り、僕は今年GP3の参戦をシーズン途中で切り上げる事にしました。なのでエネルギーは充分に充電ずみです。その全てを今回のレースにぶつけたい。そうすれば必ず得られる物はあると確信しています。人生最高のぶっつけ本番ですけど、この素晴らしい舞台を造ってくれた皆様に心からの感謝をこめてレースに挑みたいと思っています。もう僕だけのレースではありませんからね」ビンチェンゾ・ソスピリ「私は、桜井孝太郎選手がフォーミュラBMWに参戦していた頃から、彼のマネージャーに対してラブコールを送っていました。今回、孝太郎選手を我々のチームの一員として迎えることができて、本当に嬉しく思っています。パワフルなAUTO GPのマシンに乗った孝太郎選手の姿を想像するだけで興奮しますし、彼にとって本当に大きなステップになるはずです。しかし、私は桜井孝太郎選手が、我々の期待どおりの成果をあげてくれることを信じていますし、そしてこの挑戦が、お互いにとって、将来にわたる長いコラボレーションのスタートになることを願っています」
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