小林可夢偉が、クラス2位表彰台を獲得したWEC第1戦シルバーストンのレース週末を振り返った。今年、AFコルセでWECに初参戦する小林可夢偉。金曜フリー走行ではクラストップタイムを記録したが、土曜日の予選ではクラス最下位で終えることになる。「シルバーストンの週末は毎日雨が降って、気温も日曜日までは10度以下と寒い日々でした」と小林可夢偉は振り返る。
「金曜日はクラストップだったんですが、土曜日の予選では、なんと逆ポール。あらためてWECの厳しさというのを実感しました」「WECの予選は20分という時間のなか、1セットのタイヤでドライバー二人が走って、その平均のタイムでグリッドが決まるんですが、路面温度が低くて最後までタイヤがあったまらないままでした。タイムを見たらライバルであるアストンマーチンに1秒以上離されて、正直驚きました」「今年の性能調整でアストンがさらに速くなっているということは分かっていましたが、予選になって彼らが本当の速さを見せつけられた感じです。F1だと予選中に他とは違った戦略とかできるんですが、WECではそういう余地はまったくないですね」「日曜日の決勝レースもとにかく初めての耐久レースなので、どうなるのか想像もできないし、とにかくきちんと仕事をしていこうという気持ちで挑みました。実は、開幕前のテストも含めてドライタイヤで長い距離を走っていないので、タイヤのもちぐあいとか、燃料がどれくらい減るかとか、しっかりとしたデータがない状態でのスタートだったんです」「チームメイトのトニーがスタートを担当した後、僕は26周目から30周、88周目から30周、そして144周目からチェッカーまで26周の3スティントを走って2位でチェッカーを受けることができました」「とにかく6時間というレースは長いですね。ほかのクラスとの速度差もすごいし、LMP1なんてロケットみたいに飛んできますから。せっかく前との差を縮めていても、他のクラスが来るタイミングであっというまにタイムをロスしてしまうし、アストンマーチンだけでなくポルシェとのタイム差もないので、ホントに接戦です」「個人的には最後のスティントで、ようやく分かり始めたかなという感じです。そのスティントで出したチームとしてのファステストラップがクラス2番手のタイムで、トップのアストンマーチンにコンマ3秒まで来ていたのはまずまずだと思います」「2位という結果は現状では手にすることができる最高の結果だと思います。耐久レースの経験がない僕に、いろいろと教えてくれているトニーや、サポートしてくれているチームのスタッフ、そして応援して下さっているファンの皆様に本当に感謝しています。次のスパも厳し状況だということは変わりないと思いますが、しっかりとポイントを獲りたいと思います。応援よろしくお願いいたします」