小林可夢偉が、初めてのル・マン24時間レースを振り返った。今年、AFコルセからWEC世界耐久選手権に参戦する小林可夢偉は、第3戦として開催された伝統のル・マン24時間レースに初出場した。「初めての24時間レースは、やっぱり疲れました。レース自体は土曜日の午後3時スタートでしたが、その日の朝にウオームアップもあったので、実際は土曜日から日曜日にかけて24時間以上のプログラムだったんです」と小林可夢偉はコメント。
「レースでは土曜日の夕方に連続2スティント、深夜に連続3スティント、そして日曜日の朝に連続4スティントを走行したんですが、結局僕が仮眠できたのは日曜朝の2時間だけでした。「僕が乗るとなぜか雨が降ってきたりセーフティカーが入ったりして、せっかく新品タイヤを最初の数ラップは大事に走って、うまくタイヤを作っていったのが無駄になってしまったり、結局ドライでまともに走れたのは夜間の走行時だけでした。その時は上位を走っていたアストンマーチンや、ポルシェ勢と遜色ないペースで走れて、手応えもあったし、僕は周回遅れでしたけど、彼らとコース上でバトルできたんです。もし予選でもちゃんと戦えていたらもうちょっと上位でレースできたかもしれません」「夜の走行の感想は、『孤独』です!! ライトがちょこっとだけ照らしている路面を見つめながら、とんでもないスピードでたんたんと走っていたら、なんかすごく孤独に感じて、そんな風に感じたのは僕にとっても意外でした。あとこれはレースの前から気になってたんですけど、コーナー手前にある距離の看板が、看板全体が光で反射して数字が全然読めなくて。なんで文字を光らせるようにしないんでしょうね」「今年はとにかく天候が不安定で、雨がひんぱんに降ったり止んだりして、チームもこんなに難しい天気は初めてということでした。実際、走る度に濡れているところが変わったりして、前の周にここが濡れていたから気をつけようと思っていた箇所が乾いていて、でも全然違うところが濡れていたりと、非常に気を遣わなければならなかったです」「日曜日の朝は、もともと2スティントの予定で、もし行けそうであれば3スティントというプランでした。同じタイヤで3スティント目に入ったあと、タイヤが厳しくなったので、タイヤを交換することになったのですが、次のドライバーがまだ間に合わないので、結局僕がチームにタイヤだけ交換してもう1スティント走ると伝えました。結果的に4番手までポジションも上げられたし、最後はトニーが乗っていたときに、大雨が来てセーフティーカーラン後もずっとウエットタイヤで走っていたので、5位でフィニッシュすることになりましたが、ランキングのポイント差が少なく、充分タイトルを狙える位置で終えることができたので、長かったですが収穫ある24時間レースだったと思います。チームメイトのトニーとオリにも本当に感謝します。「なによりも長丁場のレース中、応援してくださったみなさま本当にありがとうございました。次のインテルラゴスまで少し間が空きますが、タイトルを目指して頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします」「最後になりますが、改めて今回のレース中に事故で命を落としてしまったシモンセン選手のご冥福をお祈りします」