小林可夢偉が、9位でフィニッシュしたF1イタリアGPの週末を振り返った。カレンダー屈指の最速サーキットであるモンツァには、ザウバーを含めた各チームがローダウンフォース・パッケージを持ち込んだ。モンツァついて小林可夢偉は「モンツァはコーナーとかが少ないですけど、クルマのダウンフォースが少ない分、ギヤを変えるタイミング、ブレーキング、縁石の乗り方とか、すべてがすごく大切なコースです」と説明。
「ベルギーほどのペースはないだろうとあまり期待していなかったですが、今年のクルマでどこまでいけるかというのは楽しみでした」金曜フリー走行では、午後のセッションで小林可夢偉のマシンに不具合が生じ、レース用のセッティングを煮詰めることができなかった。「金曜日の朝のセッションで、前にメルセデスエンジン勢が走っていたとき、こっちはDRSを使ってるのに、向こうは使っていなくて追いつけなくて。ある程度予想はしていましたけどけっこうビックリしました」「午後のセッションは、ハードタイヤで一度走ったあと、クルマのセッティングを変えたところ、直線でもスピンしそうになるくらい跳ねるようになって、急遽ピットインしました。すぐに原因は分かったんですけど、セッション中に直すことができないので、その後はピットアウト・インを繰り返して、なんとか少ないながらもデータ獲りをするだけでした。ハードの走り初めは、まあそこまで悪くはなかったんですけど、結局ミディアムタイヤも履けなかったし、レースに向けてのロングランをきちんとできなかったのが残念でした」土曜午前中のフリー走行。小林可夢偉は予選向けのセッティングをする。迎えた予選では、Q2でスーパーラップを決め、小林可夢偉は2戦連続でQ3進出を果たす。「土曜日の朝の1時間でなんとかクルマを作るしかなかったんですが、この朝のセッションが散々な状態で予選に向けてかなり大きくクルマのセッティングを変えました。予選一発を決めるために、ちょっと乗りやすくしてウインドウを広げたんですけれども、この効果がありました。Q2の2回目のアタックは、レッドブルのスリップもうまく使えたし、すべてがほぼパーフェクトに近かったです。Q3に入れて素直に良かったと思います」決勝では8番グリッドからのスタートとなった小林可夢偉だが、予選で使用したタイヤを使わなければならず、Q3に進出したことが裏目に。12番グリッドからスタートしたチームメイトのセルジオ・ペレスが今季3度目のトップ3入りを果たしたのに対し、小林可夢偉は9位でフィニッシュする。「日曜日の決勝レースは9位でした。セルジオが2位に入ったので、チームとして20点獲れて、満足行く週末になったと思います。僕は中古のミディアムでスタートして、新品のハードタイヤにつなぐワンストップ戦略でしたが、結構ギリギリでした。ピットインするタイミングがあそこがワンストップかツーストップの境目だったんですけど、どちらのタイヤも厳しかったですね」「結果的にあれだけ予選で速かったフェラーリに対して、20秒差でフィニッシュしているので、僕のペースがめちゃくちゃ遅かった訳ではないけれども、なぜもうちょっとペースが出せなかったのか、次のシンガポールに向けてしっかりと検証します」「ヨーロッパラウンドが終わりましたが、まだ7戦あります。引き続き応援よろしくお願いいたします」