小林可夢偉が、16位で終えたF1ヨーロッパGPの週末を振り返った。ストリートサーキット3連戦の最後となるバレンシア市街地コース。小林可夢偉は、ザウバーにとっては得意ではないコースとのイメージで現地入りした。「先月末にモナコから、前回のカナダ、そして今回のバレンシアと、僕たちとしてはあまり得意じゃないコースが続いていたんですけど、とにかく温度が勝負になると思ってたんです」
「高くなる温度をなんとかうまく利用できればポイントは大丈夫だろうと思っていたんですけど、想像していた以上に厳しかったですね。まあ苦手な3レースのうちふたつで入賞したから良かったかなと思ったほうがいいんでしょうけど」F1ヨーロッパGPで、ピレリは今シーズン初めてミディアムタイヤを投入。多くのチームにとって未知数の要因となった。「バレンシアでは初めてミディアムタイヤがレースに投入されるので、まずはどれだけそのミディアムが動くのかがポイントだと思ってました。それに去年のレースが出来すぎだっただけに、終わってみたら面白くないレースだったなと言われないようにと思ってたんですけど。残念でした。結局最後まで流れがこなくて、そういう状態だとレースもうまいこといかなかったですね」金曜日のバレンシアは気温が低く、またマシントラブルもあったため、小林可夢偉はセットアップを煮詰めきれないまま予選を迎えることになった。「まず、金曜日はバレンシアにしてはけっこう寒かったし、散々な1日でした(苦笑)。午前中はクルマのトラブルがあってプログラムが全部消化できなくて、午後は淡々と走ってたんですけど、オプションの時にいきなりフラットスポットを作ってそこから何もできずに終わってしまった。とにかく予選はこの温度じゃ厳しいかなという感じだったので、どちらかというとレースに集中できるようにとは考えていました。タイヤもグリップしないし非常に使いづらい。予選は結構辛そうだたと思ってました」「その予選から気温も路面温度も高くなったんですけど、想像していたよりも厳しかった。気温が上がれば良くなると思ってたけどあまりよくなかったので、コースとクルマがかみ合ってないのかなとも思う。ただ、とにかく何をしてもタイヤがグリップする前にオーバーヒートして終わってしまった。トップ10入りは遠かったし、もしかしたら12番手くらいにはなれたかもしれないけれど、それが精一杯だったと思う。それぐらい今回は厳しかったですね」決勝ではチームメイトとは異なるオプションタイヤでスタートする2ストップ戦略を選択した小林可夢偉。だが、ペース面、タイミング面のどちらも納得のいくものではなかった。「決勝は予選よりも暑くて、少しは有利になるかなと思ったんですけど、そうはいかなかったですね。まずオプションでスタートして、第2スティントでプライム、そしてその後新品のオプションという2ストップ戦略でした。今回はとにかく周りに常に誰かがいて、タイヤを労るという状態ではなかった。ただ、プライムを真ん中に履いて周りとリズムを崩せたところはよかったんじゃないかなとは思いますが、とにかくペースが遅すぎた。あれではどうしようもないですね。とにかく今回は、タイミングもペースも運も全部悪かった。すべてうまく回らない1週間で、とにかく長いレースでした」「次のシルバーストンはコースとの相性を考えると少しはよくなると思うんですけど、しっかり何が悪かったか見直して、たとえばペースが不十分だったという課題を次回に向けて調整できればなと思います」
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