2024年のインディカー・シリーズは3月初旬にフロリダ州セントピーターズバーグで開幕しているが、4月21日(日)に決勝が行われる第2戦Acuraグランプリ・オブ・ロングビーチとの間には、5週間のインターバルがある。そのため、3月22日(金)から23日(土)にかけてカリフォルニア州パームスプリングス近郊の常設ロードコース、ザ・サーマル・クラブで、合同テストが開催された。
テストの翌日には同じコースを使って、“ミリオンダラーチャレンジ”と銘打たれた賞金総額1700万ドル以上のノンチャンピオンシップレースが行われ、21年と23年のインディカー・シリーズチャンピオンであるアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が優勝を飾った。グループ1ではフェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)、グループ2ではパロウと、どちらの予選でもHondaドライバーがポールポジションを獲得。ローゼンクヴィストはヒートレース1、パロウはヒートレース2をそれぞれ制しました。各レースから上位6人が進出して行われた“オールスターレース”は、12選手のうちの8人がHondaドライバーだった。レースはセグメント1、セグメント2ともに10周で、ハーフタイムに燃料補給と、ウイングやタイヤの内圧などのマシン調整を行えるルール。ポールポジションから見事なスタートダッシュでトップをキープしたパロウは、すぐさま2番手以下を引き離す。ライバル勢にアタックのチャンスを一度も与えない圧倒的パフォーマンスをみせ、2位に5.7929秒もの大差をつけてチェッカーを受けた。20周すべてをリードして完全勝利を飾ったパロウは賞金50万ドルを獲得し、シーズン第2戦へ持ち込む勢いと自信を手に入れた。ローゼンクヴィストは3位フィニッシュで表彰台に上がり、コルトン・ハータ(Andretti Global with Curb-Agajanian)が4位でゴールした。ローゼンクヴィストはMeyer Shank Racingに移籍したばかりだが、シーズンスタートからとてもいい走りをみせている。今回はノンチャンピオンシップレースながら表彰台に登壇するパフォーマンスで、チームの士気を高めた。ハータはセグメント1でタイヤセーブに徹し、セグメント2のスタートから猛チャージ。5台をパスする果敢な走りでファンを沸かせた。 そのほかのHondaドライバーたちは、インディカー・シリーズ参戦2シーズン目のマーカス・アームストロング(Chip Ganassi Racing)が5位、ルーキーのリヌス・ルンドクヴィスト(Chip Ganassi Racing)が6位という上位でのフィニッシュを達成。Hondaエンジンで走るドライバーとチームがトップ6のうち5台を占めた。最高気温が28℃まで上がった2日間の合同テストでは、クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が最速ラップを記録。全長3.067マイルに17のバラエティに富むコーナーがレイアウトされたザ・サーマル・クラブでのテストは好天に恵まれ、参加した27人のドライバーたちは合計2335ラップもの走り込みを行った。4回に分けられ、合計9時間にも及んだプラクティスでは、昨年トロントでインディカー・シリーズ初優勝を飾ったルンガーが1分38秒2199のラップタイムで最速に。プラクティス1とプラクティス2で最速ラップを記録したパロウは、プラクティス4で記録した自己ベストの1分38秒8308で6番手につけ、ハータは1分38秒9803で8番手に入り、合同テストを終えた。この後、インディカー・シリーズは4月10日(水)と11日(木)の2日間、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで第108回インディアナポリス500に向けた合同テストを行う。次戦のシーズン第2戦、Acuraグランプリ・オブ・ロングビーチは4月19日(金)から21日(日)にかけてカリフォルニア州ロングビーチのストリートコースで開催される。パロウがミリオンダラーチャレンジ優勝 合同テストではルンガーが最速アレックス・パロス(Chip Ganassi Racing)「すばらしい週末になりました。HondaエンジンのパワーとChip Ganassi Racingの用意したマシンにより、私たちはスタートから十分なスピードをみせ続けることができました。今回はチャンピオンシップでのレースとは異なるフォーマットで争われたため、タイヤを温存する作戦がレースの終盤にどれほどの効果を発揮するのかが分かりませんでした。しかし、レース終盤にリスタートが切られることもなく、私たちはすばらしい結果を手にすることができました」フェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)「私たちはサーマルで最高の一日を過ごし、賞金をポケットに入れて家路に着くこととなりました。Hondaドライバーの2人が表彰台に上がり、そのほかにも多くのドライバーたちが上位でのフィニッシュを達成しました。Hondaにとってすばらしい週末になったと思います。パロウ選手は手のつけようがないほどに速く、自分たちはベストの力を出し切って3位でのゴールを実現しました。タイヤの使い方に関してはベストではなかったので、うまく管理する必要がありました。ここまで私たちはとてもいいシーズンのスタートが切れていると感じています」コルトン・ハータ(Andretti Global w/ Curb-Agajanian)「今回のレースではスタート位置が後方だったため、思いきりよく戦わなければならない状況でした。最初の10周でタイヤを摩耗させないように努めた作戦はうまくいったと思います。短いレースで4位までポジションを上げてゴールできたのですから、すばらしいパフォーマンスだったと言っていいでしょう。最後の4位の座を懸けてのアームストロング選手とのバトルも、お互いに十分なスペースを与え合ってフェアなものでした」クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)「2日間のテストをとても有意義なものにできました。自分たちにはスピードがあるということをみせられたと思います。ライバルたちの多くは、私たちのマシンが非常に競争力を持っていると意識し、警戒すべき存在だと捉えています。今回のテストを通じて、自分たちにトップグループで戦う力が備わっていることが感じられました。それは私にとってとてもハッピーなことです」デビッド・ソルターズ(President and Technical Director/Honda Performance Development)「サーマルでHondaはいい戦いぶりをみせることができたと思います。トップ6のうち5人がHondaドライバーでした。チームが見事な仕事をしてくれたおかげです。パロウ選手の走りは衝撃的なほどで、レースを完全にコントロールしていました。また、テストを含めた今週末を通して、すべてのHondaチームが力強さ...
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