インディカー:インディアナ州の州都インディアナポリスに1909年に完成した全長2.5マイルのインディアナポリス・モータースピードウェイは、世界で最も長い歴史を誇り、世界で最も大きなスポーツイベントとして開催され続けてきているインディアナポリス500マイルの舞台。そのインフィールドとオーバルコースのストレート、ターン1~2のバンク部分を使った全長2.439マイルのロードコースが作られ、インディカーのレースが行われるようになったのは2014年だった。
このコースを使ったレースは1シーズンに複数回行われることもあり、今日が14回目の開催。インディ500直前に開催されるGMRグランプリは、勝利すれば世界最大のレースへと勢いを持ち込むことができるため、すべてのインディカーシリーズ出場チームが重要なレースと捉えている。そのレースは快晴の下、最高気温が摂氏28度まで上がったすばらしいコンディション下で戦われ、Hondaエンジン搭載マシンで戦うアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が優勝を飾った。そして、予選でキャリア初のポールポジションを獲得したクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が4位に入賞。シリーズタイトルを6回獲得しているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、オープニングラップのアクシデントを乗り越えて6位でゴールし、予選7番手だったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も8位でチェッカーフラッグを受けた。コルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が9位、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Raciing)が10位と、Hondaエンジンで戦うドライバー6人がトップ10フィニッシュを記録した。パロウはソフトコンパウンドのレッドタイヤでスタートし、3回のピットストップでハードコンパウンドのブラックタイヤを連続投入した。ピットタイミングもタイヤ選択も最適だったパロウは、85周のレースの52周でトップを走り、2位を17秒近くも引き離しての勝利を達成し、見事にインディアナポリス500に向けた勢いをつかんだ。この勝利は2021年シリーズチャンピオンである彼にとっての今シーズン初勝利だった。ハードタイヤでスタートし、ソフト、ハード、ソフトとつないだルンガーは、4位でのゴールを記録した。インディカー出場2シーズン目の彼にとっても、Rahal Letterman Lanigan Racingにとっても2023年のベストリザルト。Chip Ganassi Racingは、予選9番手だったディクソンが6位でフィニッシュし、昨年のインディアナポリス500で優勝しているマーカス・エリクソンが8位でチェッカーフラッグを受け、マーカス・アームストロングはルーキー最上位の15位でレースを走り切った。第5戦での勝利により、パロウは獲得ポイントを174点へと増やし、ドライバーズ選手権のポイントランキングでトップに躍り出た。また、Hondaは今シーズン3勝目を挙げ、インディカーのマニュファクチャラーズ選手権において、シボレーとの差を26ポイント(413-387)へと広げることに成功している。アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)「カーナンバー10のクルーたちの仕事ぶりは本当にすばらしいものでした。この勝利はアメリカン・リージョンというスポンサーにとっても初めてのものとなりました。今週末の私たちは、プラクティスが始まった金曜日の時点で自分たちのマシンにスピードがあることを感じていました。最初のプラクティスで最速ラップをマークし、その後もマシンは非常に競争力の高い状態に保たれていました。私たちがソフトなレッドタイヤをスタートに使うという選択をしたのに対して、グリッドで周りにいたライバル勢がハードなブラックタイヤを装着しているのを見た時点で、今日の自分たちには勝利のチャンスがあると思いました。あとは私がやるべき仕事を完全にやり切るだけでした。今日の勝利は、5月という重要な月のスタートとして最高のものになりました」クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)「厳しいレースでした。4位でレースを終えられたことに満足しています。レースを戦っている間には、トップ10フィニッシュが難しいと感じるほどペースが落ちた時もありましたから、4位は勝利にも値すると感じています。今週の私たちはずっと速かったので、そのポジティブなところを成果として捉え、インディアナポリスの5月の戦いに突入していきます。私たちは今日の戦いを足がかりにして、これからも全力を注ぎ続け、進歩していくつもりです」