インディカーに付与するF1スーパーライセンスポイントは改訂するべき？

FIAは、最高峰カテゴリーであるF1へのピラミッドを形成しており、F4、リージョナルF3、FIA-F3、FIA-F2とフィーダーカテゴリーを上がってくるシステムを作り上げている。一方、FIA管轄外のカテゴリーにもF1スーパーライセンスポイントは付与される。インディカーのチャンピオンには、FIA-F2のチャンピオンと同じ40ポイントが付与される。両カテゴリーの違いは、インディカーが2位に30ポイント、3位に20ポイントとスライディングスケールで10位まで付与されるのに対し、FIA-F2はトップ3に入れば40ポイントが付与され、F1スーパーライセンスの資格を得ることができる。最近、アメリカのアンドレッティ・オートスポーツが、ザウバー/アルファロメオF1を買収すると報じられ、アンドレッティのインディカーチームでドライバーを務めるコルトン・ハータのF1デビューの可能性が報じられた。そこで問題となったのがコルトン・ハータのF1スーパーライセンスポイントだ。28ポイントしかないコルトン・ハータは、彼にアンドレッティが買収に成功していたとしても、F1レースに出場する資格はなかった。コルトン・ハータは、2019年にインディカーの最年少優勝記録を大幅に更新する18歳11ヶ月と25日で優勝。最年少ポールポジション記録（19歳と83日）も更新するなど、将来を有望視されるドライバーだ。シーズンを通しても2019年に7位、2020年に3位、2021年に5位と強者揃いのインディカーで好成績を残している。だが、逆に言えば、その3年間をトップ3以内で終えていれば、コルトン・ハータもF1スーパーライセンスは獲得できるのがFIAのシステムだ。決して、FIAのポイントシステムはインディカードライバーを阻んでいるわけではない。今年チャンピオンを獲得したアレックス・パロウにはその資格がある。したがって、アンドレッティの買収話が浮上しなければ、このような議論は起こらなかっただろう。だが、過去にインディ500に参戦した経験のあるフェルナンド・アロンソは、インディカーへのF1スーパーライセンスポイントの付与の見直しを検討していもいいかもしれないと考えている。現在のポイント構造について質問されたフェルナンド・アロンソは「レギュレーションや事柄についてコメントするのは難しい。それはFIAやライセンスを扱っている人には質問した方がいいと思う」と前置きして続けた。「でも、僕の意見を聞きたいのであれば、インディカーのようにレベルが十分に高いカテゴリがある。ヨーロッパの他のカテゴリーと同じように必要なポイントを与えるというのは確かに良い議論だ。でも、おそらく僕は答える人ではない」アメリカでのF1人気が高まっていることは、前戦F1アメリカGPが週末に延べ40万人を動員したことで証明されている。そして、アメリカ人ドライバーがいれば、さらにF1の注目度は高まるだろう。コルトン・ハータについてフェルナンド・アロンソは「彼は非常に優れたドライバーだ。非常に才能があり、非常に若い。インディカーレースの最年少優勝者だったと思う。アンドレッティは非常に良い組織を持っていると思う」と語る。「F1にぴったりなのは確かだろう。でも、僕たち一人一人がキャリアの中で異なる計画を持っており、コルトンが現時点で彼の頭の中に何を持っているのかは変わらない。今年チャンピオンシップを勝ち取ったアレックス・パロウと同じように、彼はインディカーに満足していると確信している。彼は本当にアメリカに熱心に取り組んでおり、ここアメリカでレースを楽しんでいる」「ターゲットがF1だけとは限らないし、モータースポーツはF1よりもはるかに大きい。このバブルの中でもF1がップであると感じる人もいるけど、他にもスーパーカテゴリはある」フェルナンド・アロンソはF1とFIA世界耐久選手権（WEC）の両方でワールドチャンピオンであり、インディ500とダカール・ラリーにも参戦している稀な存在だ。したがって、他のカテゴリーのドライバーのレベルに判断を下すためにユニークな基準を持っているが、インディカーのドライバーがヨーロッパで相応しいリスペクトを得ていないという提案は否定する。「僕たちは皆、あらゆるカテゴリーのすべてのドライバーを尊敬していると思うし、僕は尊敬している」とフェルナンド・アロンソは主張した。「彼らは、それぞれのカテゴリーで異なるドライビングスタイルのテクニックにおいて、彼らのビジネス、規律においてベストだと思う」「おそらく最も極端なのは、ダカールやラリーレイドだ。ここでは、スペシャリストはほぼ無敵だと思う。どこから来ても、過去にどのような分野を望んでも、純粋なペースで彼らを倒すことは決してできない」「インディカーも同じだ。彼らはインディカーのサーキット、インディカーのマシンでベストだ」「彼らがF1に参加する場合、インディカーのマシンで走るのに必要なものと同じように適応が必要だ。そこに違いはない」「僕たちは皆同じレベルを持っていると思う。各カテゴリーのトップレベルという点でね」