米国・IMSAシリーズ第3戦となるロングビーチ・スポーツカーグランプリに2台のLEXUS RC F GT3が参戦。狭い市街地特設コースでの、100分間という初めてのスプリントレースに挑み、最後尾スタートから追い上げた14号車がクラス6位でチェッカー。2番手スタートから上位を争った15号車はファイナルラップの多重クラッシュに巻き込まれ、クラス11位に終わった。
4月8日(土)、米国カリフォルニア州ロングビーチの市街地特設コースで、IMSAシリーズ第3戦ロングビーチ・スポーツカーグランプリが開催された。今イベントは、トヨタがスポンサーを務めて43年目を迎える伝統の「トヨタグランプリ・オブ・ロングビーチ」の併催レース。カリフォルニア州ロングビーチの市街地を利用した、11のコーナーを持つ1周1.968マイル(約3.2km)特設コースで戦われる。新型「LEXUS RC F GT3」が米国IMSA WeatherTech SportsCar ChampionshipシリーズのGTDカテゴリーに3GT Racingからフル参戦。開幕戦のデイトナ24時間、第2戦セブリング12時間と長い耐久レースを戦い、セブリングでは2台完走を果たした。今大会は初の市街地コースで、初のスプリントレース(100分間)に挑んだ。 ここロングビーチはLexusの本拠地から15マイル(約24km)しか離れておらず、Lexusにとってホームと言えるコース。Lexusにとってこのロングビーチでのスポーツカーレースは、2006年に、今回の14号車に搭乗するスコット・プルエットがLexusエンジンを搭載したプロトタイプレーシングカーで優勝を果たしている。またプルエットは、ロングビーチでのインディカーやセレブリティ・レースなどでも多くの勝利経験を持つ。今回参戦する2台のLEXUS RC F GT3は、14号車がプルエットとセージ・カラム、15号車はジャック・ホークスワースと、地元サンタモニカ出身のロバート・アロンのコンビがドライブする。 7日(金)の午前中に行われた練習走行1回目で、14号車はアクシデントに見舞われ、車体に大きなダメージを負うことに。この修復のため、14号車は夕方の公式練習2回目と予選を欠場することとなってしまった。 一方で、15号車は好調な仕上がりを見せ、予選では首位を争ったが、惜しくもセッション終了間際にかわされクラス2番手。それでもLEXUS RC F GT3にとって初となる最前列グリッドを確保した。 8日(土)、午後1時10分に1時間40分で競われる決勝レースがスタート。2番手グリッドの15号車は前半を担当したホークスワースが好走を見せ2位をキープ。首位の車両よりもピットタイミングを遅らせたことで、24周目から4周にわたって首位に立った。序盤からイエローコーションの多発する展開の中、予定よりもやや早めにピットインした15号車は、ピットで若干ポジションを失ったもののトップ10圏内をキープ。後方14番手からスタートを切った14号車も、プルエットとカラムの健闘でじりじりとポジションアップ。終盤にはトップ10圏内へと浮上した。15号車が8位、14号車が10位と、2台揃ってのトップ10フィニッシュが見えてきたファイナルラップ、15号車を含む数台がヘアピンコーナーでクラッシュ。14号車はこれを間一髪で避け、6位でチェッカー。LEXUS RC F GT3は、IMSAシリーズ参戦3戦目にしてトップ10フィニッシュを果たした。15号車は1周遅れの11位フィニッシュとなった。 次戦第3戦は5月4日(木)から6日(土)にかけて、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、2時間40分のセミ耐久レースとして行われる。 セージ・カラム (LEXUS RC F GT3 14号車) 最後の4周、後続ととても良いバトルを繰り広げていました。何度か接触もしましたが、ハードながらお互いにクリーンなバトルでした。ファイナルラップでヘアピンに進入しようとしたとき、多重クラッシュが発生しており、その中にチームメイトの15号車が巻き込まれているのが見えましたが、間一髪で我々は巻き込まれずに済みました。6位という結果はチームにとって大きな意味を持ちます。練習走行でのクラッシュの後、メカニックは夜を徹してフレームを修復し、エンジンを交換するという容易ではない作業をこなし、決勝日の朝までにレースを走れるまでに直してくれました。彼らの働きに報いる、価値あるポイント獲得だと思います。修復した車両は完璧とは言えませんでしたが、彼らの努力無しにはコースに戻ることも、貴重なポイント獲得もなかったはずです。チームに本当に感謝します。更なる結果を目指し次戦テキサスに挑みます。 スコット・プルエット (LEXUS RC F GT3 14号車) アクシデントで車両にダメージを負い、練習走行2回目と予選を欠場したにも関わらず、クルーは信じられないような仕事をやってのけてくれました。3GT Racingの全てのスタッフ、TRD、トヨタテクノクラフトと関わった全ての人々を本当に誇りに思います。決勝レースに出場出来るまでに修復したとはいえ、完璧な状態ではありませんでした。それでも追い上げて6位フィニッシュを果たせたことは驚嘆に値します。残念ながら、レースは予想以上にイエローコーションや多重クラッシュが多かったのですが、それもロングビーチでのレースということでしょう。 ジャック・ホークスワース(LEXUS RC F GT3 15号車) ほろ苦い一日になってしまいました。予選で好位置に付け、スタートも良かったので、もうちょっとグリーン下で走りたかったです。前半にイエローコーションが出過ぎました。グリーンでの走行がもう少し多ければ、私はもっと長くスティントを走行し、後続との差を広げた状態でロバート(アロン)にスイッチ出来、もっと良い結果に繋がったはずです。それでも自分が担当したスティントの最後の再スタートまでは上手く行き、良いダッシュを決めて差を広げることが出来ました。その後、ピットストップで若干タイムをロスしましたが、ロバートはレースを通して本当に良い走りをしてくれました。しかし、最後にアクシデントに巻き込まれてしまい、我々のレースは終わってしまいました。我々はトップ5か6位くらいには入れると感じており、それが実現すれば素晴らしかったのですが、これもレースです。我々のLEXUS RC F GT3は前戦に引き続き速さを見せましたが、結果に繋がりませんでした。今日のことは忘れて、前向きな気持ちで次戦テキサスに向かいます。チームメイトの14号車が追い上げてトップ6フィニッシュを果たしたのは良かったです。
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