2019年のデイトナ24時間レースが1月26日(土)から行われ、フェルナンド・アロンソと小林可夢偉が走らるウェイン・テイラー・レーシングのコニカミノルタ・キャデラック DPi-V.Rの10号車が優勝を飾った。ル・マン24時間レース、デイトナ24時間レースとともに世界3大耐久レースに数えられる伝統のデイトナ24時間レース。ロレックスが冠スポンサーを務め、ロレックス24時間とも呼ばれるレースは、ウィナーに「コスモグラフ・デイトナ」の特別仕様が送られる。
今年のデイトナ24時間レースは悪天候によってコースオフ、クラッシュが続出し、フルコースイエローは実に16回、残り2時間で2回目の赤旗中断になるなど、まさに“カオス”と言える展開。デイトナ24時間が赤旗中断となるのは15年ぶりとなる。レースはキャデラック、アキュラ、マツダによるバトルでスタート。しかし、ポールポジションからスタートしたマツダ77号車は3位を走行していたレースが7時間に差し掛かろうとしたところでマシンから出火してストップ無念のリタイア。55号車も脱落する。10時間が経過しようとするなか、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイには雨が降り始めた。雨は悪化し、レースオフィシャルは残り7時間13分の時点で赤旗中断と宣言。およそ1時間45分の中断を経てレースは再開。しかし、雨は降り続け、コースオフやクラッシュが続出。イエローフラッグ、フルコースイエローが何度も提示される展開となった。ここでアキュラ6号差にトラブルが発生。ピットでの作業でタイムロスして後退し、勝負はキャデラック10号車、キャデラック31号車、そして、アキュラ7号車の3台による優勝争いとなる。残り3時間の時点でフェリペ・ナッセがドライブするアクション・エクスプレス・レーシングのキャデラック DPi-V.Rの31号車が、コニカミノルタ・キャデラック DPi-V.Rの10号車を抜いてトップに浮上。ここで10号車はフェルナンド・アロンソにドライバーを交代する。フェルナンド・アロンソは、それぞれのスティントですべてトップを奪うレース巧者ぶりを発揮。そして、残り2時間に差し掛かろうとしたときに31号車のフェリペ・ナッセが大きくコースオフ。アロンソの10号車がトップに浮上したところで雨が強くなって2度目の赤旗中断となる。だが、天候の回復の見込みがなく、レースは残り10分40秒で赤旗のままチェッカー。ウェイン・テイラー・レーシングのコニカミノルタ・キャデラック DPi-V.Rの10号車(フェルナンド・アロンソ/小林可夢偉/ジョーダン・テイラー/レンジャー・バン・デル・ザン)が優勝となった。2位にはアクション・エクスプレス・レーシングのキャデラック DPi-V.Rの31号車(フェリペ・ナッセ/ピポ・デラーニ/エリック・カラン)、3位にはアキュラ・ペンスキーの7号車(アレクサンダー・ロッシ/エリオ・カルトロネベス/リッキー・テイラー)が続いた。今年から新設されたLMP2クラスではドラゴンスピード18号車、GTLMクラスはBMW Team RLLのBMW M8 GTE 25号車、GTDクラスはGRT Grasser Racing Teamのランボルギーニ・ウラカン GT3 11号車が優勝した。昨年限りでF1キャリアにピリオドを打ち、世界3大レースでの“3冠”を目指すフェルナンド・アロンソは、F1モナコGPとル・マン24時間レースでの“2冠”に加え、世界3大耐久レースでも“2冠”を達成した。デイトナ24時間レース初挑戦となった小林可夢偉も担当したスティントでリードを守り、速いラップを記録するなど際立った走りをみせ、初挑戦で優勝という幸運を手にした。
全文を読む