ニコ・ヒュルケンベルグがF1初表彰台という長年の悲願を達成した。2025年F1イギリスGPで19番グリッドからスタートしたヒュルケンベルグは、荒天のなか見事な走りで3位フィニッシュ。キック・ザウバーにとっても大きな成果となったこの快挙は、キャリア239戦目での表彰台というF1史でも特筆すべき一幕となった。
38歳の誕生日を1カ月後に控えるベテランは、2010年にF1デビュー。2019年末にシートを喪失し、一度はF1から姿を消したものの、“スーパーサブ”としての代役登場を経て、2022年にハースから現役復帰した。その後も安定したパフォーマンスを見せ続け、キック・ザウバー加入後は進化を加速。ここ数戦の結果も目覚ましく、スペインでは16番手スタートから5位、カナダでは13番手から8位、オーストリアでは最後尾から9位と、着実に成績を積み重ねてきた。そしてついにシルバーストンでの快挙。レース後、F1仲間たちから称賛と祝福の声が次々と寄せられた。チームメイトのガブリエル・ボルトレトはレース後すぐにハグを交わし「ニコ、おめでとう!これまでの長いF1キャリアを思えば、表彰台を争う姿を見るのは本当に感慨深い。彼は僕がこれまでに一緒に働いた中で最高のチームメイトであり、ドライバーとしても人としても尊敬している。心から嬉しい」と語った。フェルスタッペンはヒュルケンベルグをすぐに祝福したレッドブルのマックス・フェルスタッペンもパルクフェルメでヒュルケンベルグと握手を交わし「僕自身のレースは楽しめなかったけど、ニコが初表彰台を獲得したのは素晴らしい。今夜はきっと祝うと思う」とコメント。表彰台を共にしたマクラーレンのオスカー・ピアストリも「正直、自分の結果には満足していないけど、ニコの表彰台を見て少し気持ちが和らいだ。今日一番のハイライトだと思う」と称賛した。ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は「おめでとう、きっと堅実なレースをしたんだろうね。彼がこれまで表彰台がなかったからといって過小評価する声もあったけど、僕にとっては常にF1でトップ5に入るドライバーだと思っていた。才能とレース運びのうまさは本当に素晴らしい」と述べた。同じくウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズも「キック・ザウバーとニコに祝福を送りたい。今日のような難しいコンディションのなかでの快挙は本当に価値がある」と賛辞を贈った。終盤にヒュルケンベルグを追っていたフェラーリのルイス・ハミルトンは「3位は手の届く範囲にあったけど、ニコは本当にいい走りをしていた。初表彰台おめでとう」とコメント。同僚のシャルル・ルクレールも「ニコ、おめでとう。彼とチームにとって素晴らしい成果だと思う」と語り、スクーデリア・フェラーリのフレデリック・バスール代表も「ついにこの瞬間が来たね。彼の才能を考えれば、当然の結果だと思う」と評した。レース後の記者会見では、ピアストリが「ニコ、その初トロフィーがレゴ製って知ってた?」とユーモアを交えて質問。これに対しヒュルケンベルグは「レゴ大好きだよ!娘も遊べるしね。まあ、銀や金のトロフィーも良かったけど、文句はないさ」と笑顔で応じ、喜びをにじませた。