アストンマーティンと提携するホンダは、2026年シーズン後半に投入予定のパワーユニット(PU)アップグレードについて、エイドリアン・ニューウェイが開発を進めるAMR26Bとは独立したスケジュールで判断する方針を明らかにした。また、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は、現在の不振を受けて組織体制の見直しを検討していることも示唆した。
新PU投入はAMR26Bと別スケジュールホンダはすでにADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)制度によって認められた開発範囲を把握しており、性能向上を目指した新仕様PUの開発を急いでいる。アストンマーティンはシーズン後半の巻き返しに向け、ニューウェイ主導による大規模アップデート版「AMR26B」を準備している。最も早ければ7月のベルギーGP投入を目指しており、状況次第ではハンガリーGP、あるいは夏休み明けのオランダGPまでずれ込む可能性もある。しかし渡辺社長は、新PUの投入タイミングをAMR26Bのデビュー時期に合わせる必要はないと説明した。「シャシーとエンジンを同時にアップデートする可能性もありますし、それぞれ別々に導入する可能性もあります」「いずれにしても、パワーユニットを投入する最適なタイミングを検討したうえで決定したいと思っています」新PUの完成がAMR26B投入に間に合わなかった場合でも、ホンダ側は開発を急がせることなく独自の判断で投入時期を決める方針だ。HRC体制見直しの可能性渡辺社長はまた、F1プロジェクトのパフォーマンス不足を受けてHRC内部の組織改革を検討していることも認めた。ただし、判断は新PUの開発結果を見極めてから下す考えだという。「エンジン開発の結果を待ちたいと思います。そのうえでHRCの組織体制に変更が必要かどうか判断します」ホンダは2022年末にF1活動を終了した後、2023年に実質的な再参戦を果たしたが、その過程で多くの人材を失ったことも課題となっている。「2022年にF1を離れ、2023年に戻ったことで多くの人員を失いました。そのため、組織体制を再構築するにはもう少し時間が必要です」現在の開発体制を立て直しながら、競争力回復を目指している段階であることを強調した。ホンダとアストンマーティンは結束を強調一方でホンダは公式声明を通じて、アストンマーティンとの関係が揺らいでいないことも強調している。声明では「アストンマーティンとの結果は期待に達していない」と認めながらも、「我々の集中力は変わらない」と説明した。さらに渡辺社長が英国拠点を訪問し、現場スタッフと直接対話したことも明かしている。「F1における進歩は新たな発見だけによるものではありません。エンジニアや技術者たちが積み重ねる何千時間もの努力によって生まれるものです」「日本のさくら拠点から英国ミルトンキーンズまで、我々は一つのグローバルチームです。団結し、集中力を保ち、前進し続けます」現在、アストンマーティンとホンダはコンストラクターズランキング最下位となる10位に沈んでいる。獲得ポイントはモナコGPでフェルナンド・アロンソが記録した1ポイントのみだ。後半戦の巻き返しへ正念場アストンマーティンはAMR26B、ホンダはADUOを活用したPUアップグレードという切り札を準備している。両者が同時投入となるか、それとも段階的な改善となるかは未定だが、シーズン後半の巻き返しを目指すうえで重要な局面を迎えている。渡辺社長が示唆した組織改革の判断も、新PUの成果次第で大きく左右されることになりそうだ。
全文を読む