スクーデリア・アルファタウリのF1チーム代表を務めるフランツ・トストが、ホンダとの協力関係について語った。今シーズン限りチーム代表を引退するフランツ・トストは、2017年にマクラーレンに契約を解消され、撤退も考えていたホンダをF1に繋ぎとめることにおいて重要な役割を果たした。
当時のスクーデリア・トロロッソでは、グリッドペナルティを受けてでもホンダにパワーユニットを開発させ、2019年からレッドブル・レーシングへの供給への道を開いた。その後のホンダのF1パワーユニットの信頼性と競争力の向上は目覚ましいものであり、2021年にはマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得すると、2022年にはコンストラクターズを獲得して、ある意味でF1最強エンジンの称号を手にした。それは今季も続いており、レッドブル・レーシングとホンダとの提携は、過去のマクラーレン・ホンダの記録を破るシーズン14連勝を達成。フェルスタッペンはセバスチャン・ベッテルが保持していたシーズン記録を破って10連勝という新記録を樹立。そして、鈴鹿サーキットで開催された日本GPで、レッドブル・レーシングとホンダのF1エンジンは16戦中15勝目を挙げ、コンストラクターズチャンピオン2連覇を達成。F1日本GPを前にフランツ・トストがホンダの動画インタビューに答え、ホンダとの協力関係について語った。「私はホンダを何年も前から知っています」とフランツ・トストは語った。「ラルフ・シューマッハがフォーミュラ・ニッポンで走っていたころ、日本に住んでいました。そのころ多くのホンダ関係者と出会いました。ホンダについていい印象を持っていました」「ホンダがF1の歴史の中で素晴らしい結果を残していることはみんな知っています。優勝もチャンピオンも経験しています。ホンダはF1で勝てるパワーユニットを作れると信じていました」「2014年以降、常にホンダと連絡を取っていました。そのころホンダは苦戦していましたが、うまく協力すれば一緒に勝てると確信していました。2017年にホンダと組むと決めたとき、チームの多くが不安に思いました。こっそりと『どうしてホンダと組むんだ?これから大変だぞ』と言われました。私は『5年後には結果がわかる』と答えました」「2017年以降ホンダとは素晴らしい協力関係を築いてきました。ビジネス面でもオープンな関係です。技術面ではホンダとスクーデリア・トロロッソの協力関係は素晴らしいものでした。スクデリア・トロロッソのエンジニアが何度もSakuraを訪れ、ホンダのエンジニアはファエンツァにきました。良好な協力関係とコミュニケーションが勝利とチャンピオン獲得に繋がりました」「当時私は首脳陣にいずれレッドブル・レーシングとも協力することで、さらに優勝を重ね、チャンピオンになると誓いました。レッドブル・レーシングとの関係は成功し、3連覇が目前で4連覇も狙える状態です。ホンダは世界でも有数の優れた企業だという私の考えは正しかったのです。優勝を重ね、チャンピオンを獲得するパワーユニット、これをホンダに期待していました。レッドブル・レーシングとホンダが、ともに成功を収め本当にうれいしです。私達にとってもこれ以上のパートナーはいません」「信頼性は重要です。そして、パフォーマンスも。シーズンオフでホンダは大きく前進しました。レッドブル・レーシングと優勝を重ね、チャンピオンを獲得するには、休みなくパワーユニットを開発する必要があります。これが重要です。信頼性においてしっかりとして基盤が必要なのです」「パフォーマンスの向上も必要です。浅木さんには『すべてのレースにアップグレードされたニュースペックを投入してください。最後尾スタートになっても構いません』と言いました。彼はそうしてくれました。ほぼ全レースでアップグレードを施し、最後尾スタートになりましたが、計算通りでした。2018年のこの開発スピードがあり、2019年と2020年のレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソへのパワーユニット供給が実現しました」「パフォーマンス向上の必要があり、開発力を求めていました。Sakuraのエンジニアは素晴らしい仕事をしてくれました。2018年の終わり、そして2019年にはホンダとの協力関係が重要であり、正しい決断だと証明されました。レッドブル・レーシングは今後の方向性を見極めるために開発の過程を把握したいと思っていました。レースごとにより優れたパフォーマンスを発揮することが重要でした。それが、レッドブル・レーシングがホンダを選んだ決め手です。ホンダが最善の方法でパワーユニットを開発する信頼の置けるパートナーであることを彼らは見ていました」
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