ホンダF1プロジェクトをパワーユニット開発責任者として支えた浅木泰昭は、2025年以降もホンダがF1にとどまり、「変わった」エンジニアたちがいるホンダであり続けてほしいと語る。2015年からホンダがF1ハイブリッド時代に取り組んで以来、同社のパワーユニットは、絶望的にパワー不足で信頼性の低いハードウェアから、チャンピオンシップを勝ち取るエンジンに進化。ホンダが8年前にマクラーレンと始めた進化の恩恵を今はレッドブルが享受している。
レッドブル・パワートレインズとの技術提携により、Honda RBPTとなったホンダのF1パワーユニットは、2025年シーズン終了までレッドブルのマシンの後部に搭載され続けることになる。ホンダは、F1が新しいエンジンレギュレーションを導入する2026年からパワーユニットサプライヤーとしてFIAに登録しているが、F1での存在感や将来のパートナーはまだ確定しておらず、ウィリアムズが有力な顧客としてしばしば噂されている。現在、HRCの四輪レース開発部部長という肩書で仕事をしている浅木泰昭は、3月末に現在の部長職を退き、4月末でホンダを定年退職する。浅木泰昭は、ホンダのエンジニアに宿る“変わった”精神を引き継ぐためにも、ホンダがF1にとどまることを望んでいるとThe Raceに語った。「私がF1プロジェクトに参加した頃には、会社はごく普通の、ごく普通の話し方をする退屈なエンジニアになっていました」と、浅木泰昭は説明した。「しかし、ワールドチャンピオンになったことで、また変わったエンジニアの集団になりました。そのホンダであり続けてほしいですね」ホンダのF1パワーユニットはチャンピオンシップを獲得できるエンジンに進化した2015年以降は、浅木泰昭は、ホンダF1プロジェクトのパワーユニット開発責任者としてハイブリッドパワープラントの開発を成功させたさくらのエンジニアチームを統括してきた。その過程では多くの挫折や困難を乗り越えなければならなかったが、浅木は、エンジニアに異なる考え方をさせたり、より型破りな方法で問題に取り組ませるのにF1ほど適したものはないと主張している。「それが昔のホンダであり、それがあったからホンダでした」と浅木泰昭は語った。「そして、F1で勝つことで、またホンダにそういうエンジニアが集まってきています」「これがホンダをそういう存在であり続けさせてくれることを願っています」浅木泰昭は、2026年からのF1でのホンダの運命を決定するのは同社の取締役会次第だと語った。「もちろん、そう願っています」と浅木は締めくくった。「しかし、それは役員、あるいは会社を経営するCEOの判断に委ねられています。彼らの決断です」
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