2021年 第19戦 F1ブラジルGPがブラジルのインテルラゴス・サーキットで開幕。スプリント予選フォーマットの今大会は、60分のフリー走行と予選が行われ、マックス・フェルスタッペンがフロントローの2番手に。ホンダF1パワーユニット勢はトップ5のうち3台を占めた。スプリント予選フォーマットでは、予選前の調整がフリー走行1セッションのみとなるため、FP1では両チームとも序盤からコースインして精力的に走行を重ねた。
レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、セッション後半でロングラン中心のプログラムだったものの、2-3番手に立つ。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダも、ピエール・ガスリーが中団勢最上位の5番手につけ、インテルラゴス初走行の角田裕毅も好調なペースを見せて12番手で走行を終えた。FP1を終えて2時間30分後に予選Q1がスタート。ここでは、ペレスとフェルスタッペンが5-6番手、ガスリーと角田が8-9番手となり、4台そろって危なげなくQ2へ進出を果たす。路面状況の改善により、走行を重ねるたびにタイムアップしていく状況で、各車のタイム差が接近し、僅差の戦いとなったQ2。角田は最後のアタックでタイヤをロックアップさせてしまい、トップ10入りを逃す。角田は明日のスプリント予選を13番手からスタートするが、決勝に向けて追い上げを狙う。Q2を突破したフェルスタッペン、ペレス、ガスリーは、Q3でも好走。フェルスタッペンがフロントロー2番手となる。首位のルイス・ハミルトン(メルセデス)は、スプリント予選では1番手からスタートするが、エンジン交換によってペナルティーが科されており、日曜の決勝ではスプリント予選の結果に加えて5グリッドの降格となる。ペレスは、3番手にわずか0.013秒差の4番グリッドを獲得。ガスリーも、2戦連続でトップ2チームに次ぐ位置の5番グリッドとなった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「走行初日となった本日の金曜日には、FP1に続いて早速予選が行われました。その予選では、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が2番手、ペレス選手が4番手、さらにはスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手が5番手と、トップ5にHonda勢の3台が入る結果となりました。角田選手は残念ながら13番手でQ2敗退となってしまいましたが、ここインテルラゴス・サーキットでの初走行となったFP1、その後の予選でもいいペースを見せていたので、明日のスプリント予選を上手く使って、日曜の本番レースにつなげられればと思います。予選開始時からはパルクフェルメルールが適用されますので、1時間のFP1走行終了から予選までの2時間半の間に走行データを解析し、車体側・PU側ともに課題を潰し込んでベストな状態にすることが求められます。通常のレースウイークと比べて短い時間で最適化を進めるという点で、エンジニアにとっても非常に忙しい一日になりましたが、同様のフォーマットで行われたイギリスGP、イタリアGPからの学びもあり、プロセス自体は順調に進めることができました。明日のスプリント予選、そして日曜のレースでは、両チームそれぞれのライバルとは僅差の戦いになるはずです。今週もチームとともに各セッションに最善を尽くして臨みます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「2番手という結果に満足しています。明日のスプリントレースではいいスタート位置です。(ライバルに対して)常に差を縮めたいという思いはありますが、時には現実的にならなければなりません。メルセデスは新たなエンジンを投入し、今週末はパワーが増しているのは当然なので、彼らが上回ったことに大きなショックはありません。スプリント予選では大量のポイント獲得はできないので、明日はいいスタートを切れればと思いますし、そこから何が起きるか見ていきます。もちろん、一番重要なレースは日曜の決勝で、気温が大きく上がりマシンの挙動も変化するので、様子を見ていきます」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「今日は少し難しい状況でした。特に、Q1でタイヤを2セット使ってしまい、予選の出だしはよくなかったのですが、しっかりと改善してQ3に進んでいくことができました。路面が少し冷えて、僕らはこれまでのようにコンディションを読み切れなかったのだと思います。最後のアタックは上手くいきましたが、あと0.05秒速ければもう一つ上位に行けました。ただ、4番手はスプリント予選のスタート位置としてはいいと思います。メルセデスの新しいエンジンは上手く機能していて、今日はルイス(ハミルトン)に叶いませんでしたが、明日どうなるか見ていきます。マシンはなかなかいいペースを見せているので、明日のスプリント予選ではいいレースができればと思いますし、いい結果になるはずです」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「今日は、心の底からうれしいです。FP1は厳しい状況で、予選でも苦戦しましたが、コースへ出るたびに少しずつ向上し、マシンの中でもあらゆることを試して、走行ごとに改善することができました。アタックではすべてを上手くまとめることができて、Q3ではとても素晴らしいラップができたので、満足しています。予選でメルセデスとレッドブルに次ぐ位置にいるというのは最高の結果で、チャンピオンシップでの争いにも大きな影響があります。チームは素晴らしい仕事ぶりでした。もちろん、まだ金曜日で、これから2日間あり、激しい戦いになるはずですが、僕らはここまででき得る限り最高の結果を残せています」角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「ここも初めて走るコースなので、今朝のフリー走行はとても重要でしたが、すぐにスピードを上げていくことができてよかったです。マシンは非常にいい感触なので、今日Q3に進めなかったことは残念です。明日のスプリント予選は、この位置からのスタートだと難しい戦いになるとは思いますが、日曜のレースではより上位からスタートできるよう、追い上げにトライしていきます」
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