ホンダF1の山本雅史は、セルジオ・ペレスが優勝を果たしたF1アゼルバイジャンGPを“レッドブル・ホンダとしての総合力を見せることができた”レースだと振り返る。F1アゼルバイジャンGPでは、レッドブル・ホンダの1-2体制でレースをリードしていたマックス・フェルスタッペンがタイヤ故障によってリタイア。だが、トップの座を引き継いだセルジオ・ペレスがきっちりルイス・ハミルトンを抑えてチーム移籍後初勝利を果たした。
「今年はホンダにとってのF1最終年で、その年にフェルスタッペン選手とペレス選手という二枚看板でいけると信じてきました」と山本雅史は語る。「その力を最初に発揮できたのがこのアゼルバイジャンであり、レッドブル・ホンダとしての総合力を見せつけることができました。結果的にはそうはならなかりませででした、レース中にも関係者からショートメッセージなどで『1-2いけそうだね、いつ以来か』といったメッセージが飛び交っていた」「しかし、モータースポーツというのは終わるまで結果が分からないスポーツで、なかなか楽には勝たせてくれないものだという思いを新たにしました」山本雅史が語るように、今年レッドブル・ホンダに加入したセルジオ・ペレスが調子を上げ、昨年までは実現したなかったメルセデスと“2台で戦う”という体制が整いつつある。「アゼルバイジャンGPはホンダにとあすっては29年ぶりの連勝。総じて言えば、マックスのトラブルはあったけど、ガスリー選手が表彰台3位、角田選手も7位で完走し、ペレス選手も優勝した。こちらも2台で勝負できるようになって、しっかりと準備してきた成果が出てきたと言え。フェルスタッペン選手がいなくなってもペレス選手がしっかり勝てる、それが重要だと考えています」「今年は本当の意味でエンジニアたちが頑張ってくれていて、その結果が出ていると思います。レッドブルとメルセデスは拮抗しており、ハミルトン選手は最後のスプリントレースで勝って25ポイントを狙いにいったのだと思います。ハミルトン選手が1コーナーで飛び出したのは、レッドブルとメルセデスが拮抗しているからこそそうなったのだと感じました」「ハミルトン選手にしてみれば、勝って25点取ればフェルスタッペン選手とランキング順位を逆転して、しかも、大差がつけられる、悪くても現状維持と考えたのではないでしょうか。今回ペレス選手が勝ってコンストラクター選手権では26点のリードになった。メルセデスをそこまで追い込んでいる、そういうことだと考えています」「今後、フランス、オーストリア2戦、イギリスと続いていきます。イギリスでは、昨年ハミルトン選手のフロントタイヤが壊れたシルバーストーンであり、より慎重にチェックしていくことが大事です。総じて言えば、タイトル争いに関しては、1戦1戦落とせない、ポイントの取りこぼしがないようにしていかないと厳しいと思っています」「ペレス選手にせよ、今日は残念な結果に終わったフェルスタッペン選手にせよ、素晴らしいドライバーで、残り17戦全てでこういったレースができるように毎レース戦っていき、ファンの皆さまにも喜んでいただけるような結果を共有できるようにしていきたいと思っています」